2010年6月5日 10時28分 更新:6月5日 11時37分
沖縄、奄美地方が5月6日に梅雨入りしてから約1カ月。平年なら九州以北の各地も順次、梅雨入りする時期だが、6月に入っても「五月晴れ」のような天気が続いている。気象庁によると、上空の偏西風が大きく蛇行し、日本列島付近に寒気が入りやすくなっているのが原因という。各地の梅雨入りは平年より遅れそうな情勢だ。
平年の梅雨入りは九州南部が5月29日、四国が6月4日などで、6月上旬は本州各地が順次梅雨入りする時期にあたる。昨年は6月4日には既に東北北部まで梅雨入りしていた。しかし、今年は梅雨前線が日本の南海上にとどまり、梅雨入りの気配はない。
気象庁気候情報課によると、梅雨入りや梅雨明けには、日本列島上空を流れる偏西風の蛇行の度合いが大きく影響する。梅雨前線は暖かい太平洋高気圧と冷たいオホーツク海高気圧などの勢力の境目にできるが、上空では偏西風が通る場所が暖気と寒気の境目にあたるためだ。同課は「偏西風は現在、日本付近で平年より大きく南側に蛇行し、北から乾いた寒気が日本列島に入り込みやすい状況が続いている」と説明する。
気象庁によると、5月29日~6月3日の東京の平均湿度は、最高67%、最低53%で昨年の同時期(最高86%、最低66%)より大幅に低く、さわやかな日が続いている。
では、梅雨入りはいつになるのか。気象庁が4日発表した週間天気予報によると、来週前半に天気が崩れるところが多く、ここが最初の梅雨入り候補となる。だが、気象庁天気相談所は「西日本で梅雨入りする可能性もあるが、週半ばにいったん回復するとみており、梅雨入りの可能性は小さい」という。
大本命は、その次に天気が崩れる見込みの11日。気候情報課によると、偏西風の蛇行は6月第2週の終わりから第3週の初めに収まる見込みだからだ。蛇行が収まれば、徐々に太平洋高気圧の張り出しが強まり、梅雨前線を北に押し上げていくという。天気相談所は「来週末に九州から関東甲信まで一気に梅雨入りする可能性もある」と話している。【飯田和樹】