2010年6月4日 11時21分 更新:6月4日 14時51分
鳩山由紀夫内閣は4日午前の閣議で総辞職した。「課題に内閣あげて懸命に取り組んだが、道半ばにして退くこととした。誠に残念であるとともに国民の皆さまとの約束をまっとうできず、大変申し訳なく思う」との首相談話を決定した。鳩山首相の在任日数は262日で、現行憲法下では細川護熙元首相に1日及ばず、歴代5番目の短命政権となった。
首相は閣議で「政権与党が国民の信を取り戻すためには『政治とカネ』の問題に真剣に取り組み、クリーンな政治を作り上げること、将来の沖縄を展望しつつ、負担軽減などの基地問題に取り組み、日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させることが何より大切だ」と強調した。新内閣発足まで引き続き「職務執行内閣」として職務を行う。退陣に伴う記者会見は行わず、異例の対応で政権の幕を下ろした。
現行憲法下での短命政権は、(1)羽田孜(在任日数64日)(2)石橋湛山(65日)(3)宇野宗佑(69日)(4)芦田均(220日)--などの順。
首相は4日午前10時45分すぎ、首相官邸の職員ら約150人に拍手で見送られ、官邸を後にした。職員から笑顔で花束を受け取り、平野博文官房長官と握手。最後は右手を振って、官邸に別れを告げた。【横田愛】