民主代表選:樽床氏「社会保障を抜本改革」 出馬表明会見

2010年6月3日 21時43分 更新:6月3日 23時22分

民主党代表選挙に出馬を決め記者会見する樽床伸二衆院議員=民主党本部で2010年6月3日午後6時17分、武市公孝撮影
民主党代表選挙に出馬を決め記者会見する樽床伸二衆院議員=民主党本部で2010年6月3日午後6時17分、武市公孝撮影

 樽床伸二衆院議員が3日、民主党本部で代表選出馬を表明した会見の要旨は次の通り。

 代表選に立候補する決意をした。民主党に新しい政治を期待をする結果が昨年の政権交代だった。現実的には政権を運営していく中でいろんな壁がある。乗り越えて再生に向けて全力で歩んでいかなければならない。

 一つは世代交代。2点目は掲げた政策を着実に前進させたい。昨年のマニフェストの「一丁目一番地」の約束は、衆院の定数80減。もう一つは社会保障、年金医療、介護の分野だ。しかし私たちは次の衆院選まで消費税を上げない約束をしている。この約束は守っていきたい。両立させていくには、社会保障分野の抜本的制度改革を作り、(消費税率引き上げを)国民に提示できる段階に至った時に信を問うべきだ。

 今回の迷走の一つの原因が、普天間問題だ。鳩山由紀夫首相が首相の座を降りる代償を払って合意した内容(日米共同声明)は守っていかなければならない。沖縄の負担を減らしていく方向に向けて、根気強く、ノミとトンカチで固い岩盤に穴を開け続けていきたい。

 --小沢一郎前民主党幹事長との距離感は。

 小沢氏の存在感は大きいかもわからないが、何かにつけて小沢氏との距離がどうのこうのと、すべて親小沢、反小沢に分ける考え方には立っていない。

 ◇樽床伸二氏(50)

 5選を目指した05年衆院選は、「郵政選挙」のあおりで落選。昨夏の衆院選で約4年ぶりに返り咲いた。「民主党七奉行」の一人で、党内グループに属さない「一匹オオカミ」的存在とされてきたが、最近は小沢一郎前幹事長に近いとの評判も。

 阪大生時代に政治家を志し卒業後に松下政経塾へ。「地盤・看板・カバン」はなかったが、日本新党ブームに乗り93年衆院選で初当選。前原誠司国土交通相と野田佳彦副財務相は、松下政経塾-日本新党と同じ経歴を持つ同期当選組。

 その後は、新進党、無所属、フロムファイブ、民政党、民主党と歩んだ。地方分権、安全保障に一家言を持つ。小沢氏に近い松本剛明衆院議院運営委員長らに推されて代表選出馬を決めたが、新進党時代は羽田孜元首相に近く、小沢執行部の手法を強く批判した。

 落選が影響し、表舞台で活躍する前原氏らに比べて「影が薄い」(中堅議員)との評があるが、気さくな人柄から「樽さん」と呼ばれ、若手議員を中心に人望が厚い。

 元高校球児で趣味はスポーツ。選挙区は大阪12区。【中澤雄大】

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