殺人:弁護士が男に胸など刺され死亡 横浜の事務所で

2010年6月2日 18時29分 更新:6月2日 23時56分

弁護士が刺殺された事件現場の地図
弁護士が刺殺された事件現場の地図

 2日午後2時40分ごろ、横浜市中区太田町1の関内川島ビル9階「横浜みらい法律事務所」の女性事務員から「事務所に刃物を持った男が入ってきた」と110番があった。駆けつけた神奈川県警加賀町署員が、所属する弁護士の前野義広さん(42)=同区蓬莱町3=が事務所内で血を流して倒れているのを発見。胸や腹を刺されており、病院に運ばれたが同4時ごろ死亡した。同署は殺人事件とみて逃げた男の行方を捜している。

 同署によると、前野さんは床に倒れ、近くには凶器とみられる血の付いたサバイバルナイフのような刃物が落ちていたという。逃げた男は年齢30歳くらいで身長約170センチ、白いTシャツに黒のTシャツを重ね着し、ベージュのズボン姿。手袋をして、黒いリュックサックを背負っていた。事務員は男と面識はなく「突然やって来た」と話しているという。

 現場はJR根岸線関内駅から北東へ約500メートルのオフィス街。

 前野さんは横浜弁護士会の消費者問題対策委員会委員。また、同事務所所長の影山秀人弁護士は、オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件で「坂本弁護士と家族を救う全国弁護士の会」事務局長を務めている。

 記者会見した同弁護士会の水地啓子会長は「弁護士の業務に対する重大な挑戦。自らの主義主張を暴力によって実現しようとする手法は断じて許さない」と語気を強めた。

 日本弁護士連合会も「業務中の弁護士が殺害されるという誠に痛ましい事件で、このような卑劣な行為を断じて許すことはできない。捜査機関による一刻も早い犯人逮捕と事件の解明を切に要望する」とのコメントを出した。【吉住遊、中島和哉、松倉佑輔】

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