【コラム】同じことを繰り返す韓国政治(上)

「国民が怖い」「国民は賢明だ」といううそ

このままでは政治家も国民もがけっぷちに

 7月28日に全国8カ所で行われた国会議員の再・補欠選挙で、国民の判断は再び揺れ動いた。軽率な振舞いを繰り返した末、有権者から手痛いしっぺ返しを受けた野党・民主党は、「国民が怖い」といって伏し目がちな態度を取り、一方で苦労せずして勝利した与党ハンナラ党は、「国民は賢明だった」と自慢して回った。だが、この数日間に世間を飛び交った、聞くだけでも恥ずかしくなるうわさ話に耳を傾けると、2カ月前の統一地方選の直後に何度も聞いた話と、まったく同じだということがすぐに分かる。変わったことはといえば、統一地方選のときはハンナラ党が「国民が怖い」と言い、民主党が「国民は賢明だった」と言っていたのが、今回はそれが逆になったというだけだ。彼らはそうして、国民をさんざん胴上げし、突然手を離したため、国民は真っ逆さまに落ち、頭を地面にぶつけてしまった。その後、国民が見てきたことは、実際に変わったことは何もないという事実だった。

 民主党が本当に、「国民は賢明だ」と思ったのならば、統一地方選から2カ月の間、あれほどまでに融通の利かない態度を取ることはできなかったはずだ。李明博(イ・ミョンバク)政権のコネ人事を非難した民主党が、自分たちが勝利した地方自治体で同じようなコネ人事を行い、「ミニ李明博政権」をつくり上げた。「世宗市」構想の原案修正に対し、「政権が国民と約束したことを、簡単に破っていいのか」と批判した同党所属の地方自治体の首長らが、就任する前から、中央政府や前任者らが進めてきた事業を、手の平を返すように中止した。全国教職員労働組合(全教組)寄りの教育監(教育長に相当)たちは、教育庁を全教組の附属機関に変えてしまった。この2カ月足らずの間、全教組寄りの教育監たちは、「全教組の、全教組による、全教組のための教育現場」をつくることだけに躍起になってきた。

 民主党が「国民は賢明だ」と考えていないもう一つの証拠は、同党が国会議員再・補欠選挙で擁立した候補者たちの顔ぶれだ。時代に逆行するような形で候補者を擁立するようなことさえなければ、いくつかの選挙区では勝利できたかもしれない。統一地方選の半月にわたる選挙戦で勝利をつかみ取った彼らが、それによって得た財産を使い果たし、敗者へと転落するまでに2カ月もかからなかった。それゆえに、彼らの「国民が怖い」という言葉は、そのまま信じることはできない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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