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「まるでカフェ?」 完成から2年、住民反対の中で入所者決まった「自立更生促進センター」とは (4/4ページ)
現地では、センターの賛否をめぐり、住民や保護者の溝も深くなっている。
入所は「模範囚」に
センターの本来の目的は、薬物依存や集団生活になじめないなど、民間施設が対応できない人を入所させ、「濃密な指導監督、薬物依存などに応じた専門的かつ高度な処遇プログラム」(法務省資料)で更生を進めることだった。
ところが、福島では住民の理解を得るため、入所者を地元関係者に限定した。さらに、リスクの低い人を中心に受け入れるという。
センター側が3月に示した「入所者選定基準」によると、「集団生活への適合が見込まれる」「心身に著しい障害がない」「執行すべき刑期が8年未満」などの人が対象で、子供への犯罪や性犯罪を行った人や、依存性の高い覚醒(かくせい)剤事犯者、暴力団関係者は対象から外すという。
8月に入所予定の2人も、刑期3〜4年の財産犯(窃盗や詐欺など)として服役中で、「模範囚と言っていい」(井坂巧・福島保護観察所長)という。設立の趣旨を考えると、本末転倒の感も否めない。
センターは8月4日に、地域代表とつくる「運営連絡会議」を開き、入所者決定を報告するが、30日現在、反対を主張してきた1つの町内会と、私立学校は出欠を保留したままだという。