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「まるでカフェ?」 完成から2年、住民反対の中で入所者決まった「自立更生促進センター」とは (3/4ページ)
「更生保護には反対しないが、市街地の真ん中に施設を作ったのはおかしい。『周辺に住みたくない』という人も増えている」(福島市街地周辺地域の安心を守る住民の会の熊坂良太代表)というわけだ。
確かに、周辺は閑静な住宅地で、小・中学校や高校が点在する文教地区だ。計画当初、性犯罪者などの入所に不安も高まったという。
さらに、法務省の段取りの甘さも対立を深めた。福島保護観察所は「事前に市、町内会などに概要を説明した」というが、近隣を歩くと、「住民を無視してこっそり建てた」(60代の男性)という声がいまだに多い。「当初は保護観察所の増改築だと思っていた」という住民もいるほどだ。
反対の住民たちは今月20日、民主党福島県連に党本部幹部の現地視察を要請した。だが、千葉景子法相は記者会見や国会答弁で、「センター構想の推進」を繰り返している。このため、党側が“民意”をたてに、政治主導で法務省の方針を覆すのは難しい状況だ。
一方、地域にはセンターに理解を示す市民もいる。「センターの必要性を感じている」という阿倍由美さん(48)は、「更生には人の愛情や『目』が必要だと思う。表には出ないが、男性用の古着を集めたり、ボランティアができないか考えている人は結構いるんです」と話す。