参院選後初となる臨時国会が30日召集され、柔道女子五輪金メダリストで民主党新人の谷亮子氏(34)が初登院した。午前8時38分に国会正門に姿を見せた谷は「誠意を持って公務を務めて参りたい」と決意を表明。現役続行と議員の両立という“2足のわらじ”が議論を呼んでいるが、柔道に絡めた問いかけに対し、珍しく怒気を含んだ声で「それは例えが違うと思います!」と、回答を拒否する場面もあった。
◇ ◇
“イロモノ扱い”するような質問に、ヤワラちゃんが敢然と一本背負い?を食らわせた。記者から「今の気持ちを柔道に例えると?」と質問が飛ぶと表情が一変。一瞬、怒ったような表情になり「それは例えが違うと思いますので…違うと思います」ときっぱり回答を拒否した。どんな質問にも笑顔で応じるヤワラちゃんには珍しい場面。柔道家とは別の「先生」の顔だった。
35万票あまりを獲得し、速攻一本で初当選を決めた開票日から19日。ヤワラちゃんは国会正門に姿を見せた。最大の注目を集める1年生議員の登場に報道陣が殺到。146センチの小さな体はあっという間に人込みに埋もれ、カメラマンと衛視がもみ合いになる殺伐とした空気が流れた。
晴れ舞台に選んだのは、この日の朝に直感で決めたというシックなベージュのスーツとパンプス。「私に投票してくださった皆さまの代表としてここに立たせてもらっていますので誠意を持って政務を務めて参りたいと思います」と笑顔で意気込みを語った。
ただ、議員活動と現役続行を掛け持ちするという“2足のわらじ”には、当選後も厳しい意見が続いている。全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長(59)は11月の講道館杯を欠場した場合、ナショナルチームなどの強化指定選手から外す方針を明示。同大会での優勝も厳命した。ヤワラちゃんは「一生懸命務めて参りたいという気持ちに何も変わりはございませんし、公務もおろそかにすることもなく進んで行きたいと思っている」と決意はまったく変わらない。
この日の朝は5時30分に起床し、子どもの食事作りと夫で巨人・谷佳知外野手(37)の送り出しもしてから、国会へ向かったという。「家庭のことをきちんとして初登院させていただきました」と家庭での全力投球ぶりもアピール。柔道家、参院議員、プロ野球選手の妻で母…すべてを背負った戦いが今、始まった。