ボクシングのWBA世界Sフェザー級王者・内山高志(30)=ワタナベ=が30日、都内で会見し、9月20日にさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで2度目の防衛戦を行うことを発表した。同級5位のロイ・ムクリス(23)=インドネシア=を迎え撃つ。今秋の世界戦ラッシュの先陣を切って登場する内山は、持ち前のダイナマイトパンチのさく裂を予告。日本の新エースとして存在感をアピールする。
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主役の座は譲らない。V2戦が正式決定した内山は「今までより、進化したボクシングを見せたい。相手も気合が入っていると思うし、油断はない。印象が薄れるような試合はしたくはない。気持ちを崩さずに自分のボクシングをしたい」と鼻息を荒くした。
今秋は、日本人の世界王者による防衛戦ラッシュとなる。内山を皮切りに、9月25日にはWBA世界フライ級王者・亀田大毅(亀田)‐坂田健史(協栄)戦が控える。そして10月24日にはWBC世界Sバンタム級王者・西岡利晃(帝拳)のV5戦が行われる。
亀田大毅、西岡利晃の両王者に比べ、内山の知名度は低い。だからこそ試合でアピールするしかない。内山の最大の武器にして、最もファンを引きつけるのがダイナマイトパンチだ。今年1月には12回TKOで王座を獲得し、5月の初防衛戦も6回TKOで仕留め、世界戦2連続KO勝利を収めている。
対するムクリスは、WBCインターナショナル王座をはじめとする3つの地域タイトルを獲得した強豪。23歳の若さながら23勝(18KO)2敗2分けの戦績を誇る。世界戦の機会をうかがっていたため、昨年10月を最後に試合をしていないが、アジアでは無敵で最強挑戦者となる。
「まだビデオは見ていないが、戦績を見るとパンチが強いと思う。これからよくビデオを見て、長所と短所を研究していきたい。自分もまだまだ課題がたくさんあるので、試合までに修正していきたい」。日本が誇るダイナマイトパンチャーが、今秋の世界戦ラッシュで主役に躍り出る。