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【スポーツ】

本庄一がサヨナラで切符 いなべ総合は初

2010年7月29日 紙面から

花咲徳栄−本庄一 9回裏本庄一1死、一、三塁、谷本のサヨナラ右前打で生還する三走の田端(手前)とベンチを飛び出し喜ぶ本庄一ナイン=さいたま市の県営大宮公園球場で

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◆高校野球地方大会 埼玉県大会決勝

 第92回全国高校野球選手権大会の地方大会は28日、14大会で試合を行い、11校が新たに甲子園へ名乗りを上げた。

 埼玉大会では、ノーシードの本庄一が花咲徳栄に9回裏の劇的なサヨナラ安打で3−2で勝ち、2度目の甲子園を決めた。広島大会では今春のセンバツ4強の広陵が昨夏代表の如水館を2−0で下し、2年ぶり20度目の夏の出場。砺波工(富山)いなべ総合(三重)英明(香川)は春夏通じて初の甲子園。

 また、神奈川大会では横浜と東海大相模が準決勝を勝ち上がった。29日は神奈川のほか、愛知、兵庫、宮崎で決勝が行われる。

 9回裏1死一、三塁。本庄一サヨナラのチャンスに、打席にはこの日無安打だった谷本充三塁手(3年)。花咲徳栄はスクイズを警戒して極端な前進守備を敷いてきた。追い込まれ、1球外されての4球目。バントの構えから一転、バスターでカーブをうまくすくい上げると、打球は内野の頭上を越え、右前に落ちた。「当たった瞬間“甲子園だ!”と思った。サヨナラなんて初めて。うれしかった」と感激。須長三郎監督が「本来は守備の子。練習試合では1割5分も打っていなかった」という2番打者の今夏初打点が、2年ぶり2度目の甲子園出場を決めた。

 6回に1点勝ち越され、その裏の攻撃中、4番田尻が二飛に倒れた際、途中で全力疾走を怠った。それを見ていた指揮官はカミナリを落とした。7回が始まるときの円陣で「おまえらどうしたの? 最後の夏がこのまま終わったら中途半端じゃないのか」とカツ。その後は、守っては3回とも3者凡退。攻撃では3回とも先頭打者が四死球で出塁。8回にスクイズで同点に追いつき、9回のサヨナラにつながった。

 「試合の流れは悪くないのに何か違う感じがしていた。田尻の走りを見て、ここが足りない分だと気付いた」と須長監督。夏は毎年“常笑野球”を掲げ、ベンチでも「笑顔」「笑え」と声がかかる。「1つ負けたら終わる最後の夏は、笑って終わりたいじゃないか。失敗を恐れずに野球を楽しめ」と指導してきた。

 初出場した2年前は記念大会のため、埼玉から2校出場、本庄一は北埼玉代表だった。「今回は浦和学院、花咲徳栄と東西の両横綱に勝ち、全県の代表として胸を張って行けるのがうれしい」とにっこり。甲子園でも“常笑”旋風を巻き起こす。 (竹村和佳子)

 

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