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【スポーツ】東海大相模 33年ぶり夏2010年7月31日 紙面から
◆高校野球地方大会 神奈川大会決勝東海大相模、33年ぶりの夏! 第92回全国高校野球選手権の神奈川大会決勝が30日行われ、東海大相模が横浜を9−3で下し、春夏連続の甲子園出場を決めた。この夏からサイドスローに転向したプロ注目のエース一二三慎太投手が完投勝利を収め、打線も爆発。1970年以来の夏の全国制覇を狙う。 33年ぶりの夏を決めた瞬間、苦しみ抜いたエースはマウンドで体いっぱいに喜びを表した。プロ注目の大型右腕として今春センバツに出場、悩みに悩んでこの夏はサイドスローに転向した一二三が横浜に完投勝ちし、甲子園へ戻るキップをつかみ取った。 センバツは初戦で、自由ケ丘(福岡)に敗退。負けただけでなく、自分の投球を見失った。「球速が出てもコントロールがバラバラだったり、自分でも思い通りのピッチングができず、夏はどうなるのかと…」。主将でエース、周囲からの期待も大きかった。重圧に押しつぶされそうになり、ひとり部屋で考え込む日もあった。5月に、気分転換でサイドスローを試すと思いのほか、いい感触。「スピードもあまり変わらず、いいコースに投げられた。スライダーは、上からよりキレがあった」。雑音もあったが、どん底から抜け出す光明が見えた。 門馬敬治監督は6月末、みずから苦境を脱したエースに「お前がエースだ、信じている」とメールした。グラウンドでも直接話してはいたが、あえて文字として残したくてのメール。力強い返信メールを見て、この夏は、一二三に託そうと決めた。「どこから投げても、もう一度、甲子園に連れていきます」 監督への誓いを果たすための決勝マウンド。最後の難敵は横浜。1回に、変化球でかわそうとする悪いクセで四球を出して追いつかれたが、2回からは、直球で押し切った。最後のアウトも直球で一ゴロ。「甲子園でも真っすぐでどんどん攻めていきたい」。鎌倉学園戦では、上手投げのときを上回る150キロもマーク。サイドで迫力不足なんて言わせない。32年間、涙をのんできた先輩たちの思いもこめて、一二三が真夏の甲子園マウンドに立つ。 (小原栄二)
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