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熱帯棲息のはずが…“猛毒ダコ”北上中

フグと同じ猛毒を持つヒョウモンダコ(マリンワールド海の中道提供)
フグと同じ猛毒を持つヒョウモンダコ(マリンワールド海の中道提供)
Photo By 提供写真

 フグと同じ猛毒を持つ「ヒョウモンダコ」が福岡、佐賀、長崎県など九州北部で相次いで発見されている。本来は熱帯や亜熱帯に棲息するが、温暖化の影響で海水温が上昇したためとみられる。かまれると呼吸困難を引き起こしたり、死に至るケースもある。海水浴シーズンの真っただ中だけに、福岡県は「見つけても絶対に素手で触らないで」と注意を呼びかけている。

 タコといえば、サッカーW杯南アフリカ大会をめぐり、ドイツの“占いタコ”パウル君が話題になったが、こちらは近づかない方が懸命だ。

 しながわ水族館(東京都品川区)によると、ヒョウモンダコは体長約10センチの小型。茶色のヒョウ柄模様で、浅い海の岩礁や、砂と小石交じりの海底を好んで棲息。興奮すると、青いリング模様が全身に現れるのが特徴だ。

 だ液の中にフグの毒と同じ「テトロドトキシン」などを含む。かみつかれ、この毒を注入されると、呼吸困難や心肺停止を引き起こす。海外では全身まひで死亡した例もある。

 九州北部で初めて見つかったのは昨年11月30日。福岡県水産海洋技術センターの職員が、福岡市西区の博多湾でカキ養殖イカダにいるのを発見した。その後も同県糸島市で4匹、北九州市で1匹が確認され、佐賀や長崎県でも6月以降、タコつぼの中などで計3匹が見つかっている。

 本来は日本からオーストラリアにかけての西太平洋の熱帯や亜熱帯に分布。日本では鹿児島、沖縄県にまたがる南西諸島が主な棲息域とされる。温暖化による海水温の上昇で、九州北部に移動し、棲息域を拡大してきたとみられる。

 猛暑続きの今夏は、長崎市の沖合で全長約1メートルのシュモクザメ8匹が捕獲され、海水浴場が遊泳禁止になった。また、兵庫県淡路島の海岸で人に危害を与える可能性のある体長約60センチのワニガメが捕獲される騒ぎも起きている。福岡県水産海洋技術センターの浜田弘之浅海増殖課長は「ヒョウモンダコは一見毒を持っているように見えないが非常に危険。泳いでいるときに知らない生物を見つけたら触らないのが一番」と警告している。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年08月01日 ]

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