香港のフカヒレ取引業者が米国の調査報告を批判
2009年11月30日 AFP(香港)
翻訳協力:津金麻由美 校正協力:津田和泉
25日(水曜)、香港のフカヒレ取引業者は「絶滅危惧種の肉が人気のスープの食材として香港市内の市場で販売されている」という米国の調査報告に対して怒りを表明した。
米国の科学者は、DNA検査を用いて香港で販売されていたサメのヒレの地理的起源を追跡したとEndangered Species Research誌の新しい調査報告で述べた。21%のヒレが大西洋西部に生息する絶滅危惧種のアカシュモクザメのものであることが判明した。
しかし、香港フカヒレ取引商業組合は組合員の行為は法律上全く問題がないと主張した。
「報告は誇張されています。」と同組合のスポークスマンはAFPに語った。
「法に触れることは一切行っていません。絶滅危惧種のアカシュモクザメのヒレを販売してもここでは合法とみなされるのです。」
米国の科学者は、2010年3月に開催されるCITES締約国会議(CITES: 絶滅危惧種の国際取引に関する条約)において同条約で対象とされていないシュモクザメおよび他のサメ類の取引規制を策定し保護するよう求めている。
調査機関によると、アカシュモクザメのヒレは香港市内で1kg(2.2ポンド)あたり10,934円(1米ドル=91.12円 2009年12月26日調べ)以上の値段で売れるという。
フカヒレはスープの食材として使用される。フカヒレスープは珍味であり、香港の多くの結婚披露宴では欠かせない料理であると考えられている。
香港海味雜貨商會(Dried Seafood and Grocery Merchants Association)会長のMak Ching-po氏も同調査を批判した。
「我々がサメを捕獲し続けなければ、サメの個体数は急激に増加します。」と同氏は香港daily The Standardに語った。
「その結果、サメに捕食されるハタ(garoupa)のような小魚の漁獲量が不足するでしょう。」
香港漁農自然護理署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department)は、次期CITES締約国会議で採択されるいかなる新規制にも従うと述べた。
「香港は絶滅危惧種の保護に尽力し、CITESによって定められた絶滅危惧種の国際取引規制に綿密に従います。」と同署は声明を発表した。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gAPPkO8Dfu1w2UvQFyAzbeD4Y_gA
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