姉弟2人の遺体が見つかったマンション=大阪市西区、伊藤恵里奈撮影
大阪市西区のマンション室内から幼い姉弟の遺体が見つかった事件で、母親の下村早苗容疑者(23)=死体遺棄容疑で逮捕=が「子育てに悩み、すべてから逃げたかった。自分の時間がほしかった」などと供述していることが、大阪府警への取材で分かった。調べに「取り返しのつかないことをしてしまった」と反省の言葉も漏らし始めたという。
府警は、三重県出身の同容疑者が離婚後、大阪の風俗店で働き始めた今年1月ごろには、すでに育児ストレスを抱え始めたとみている。
捜査関係者や知人らによると、下村容疑者は東京都内の高等専修学校に通った後、ほとんど就労経験がないまま2006年12月に元夫(23)と結婚。07年5月に長女の羽木(はぎ)桜子ちゃん(3)を出産。しばらくは三重県四日市市内にある元夫の実家で生活し、08年10月には長男の楓(かえで)ちゃん(1)も生まれた。義父母は孫の育児を手伝ったという。
09年5月に離婚後、名古屋市内の飲食店に勤務した。今年1月、ほとんど地縁のない大阪市へ移り、勤め先の風俗店の寮だったマンションに親子3人で入居した。
このころ、子どもを連れて公園に来ていた下村容疑者を目撃した女性(38)は「子どもが『ママー』と呼んでも、たばこを吸ったまま目をやらなかった。子どもに関心がない様子で携帯電話を見ていた。育児がしんどいのかなと思った」と話している。