「すぐに辞職するべきだ」「理解できない」-。後藤英友衆院議員(43)の元出納責任者の上告が最高裁に棄却されたことを受け、地元の有権者からは即時辞職を求める声が上がった。後藤氏が31日、議員を辞職せず、福岡高裁に異議申し立ての行政訴訟を起こす考えを示したことには有識者から疑問の声が出た。
「法律に違反したら責任を取るのは小学生でも分かる。これまで受け取った議員歳費も返上するべきだ」。大津町の会社員男性(70)は後藤氏の対応を批判し、議員辞職を否定したことにも「論外」と言い切った。同町の商業施設に買い物に来た主婦(48)も「同じ選挙区の人間として残念だし、恥ずかしい。早く辞めるべきだ」と話した。
後藤氏は昨年8月の衆院選熊本3区で約7万5千票を獲得。選挙区では惜敗したが、比例で復活当選した。後藤氏の後援会会長を務めた男性(78)は「軽微であっても、陣営関係者が法に触れたことをしたのは事実。信じてくれた有権者に対し申し訳ない」としながらも「この程度のことで失職するのはかわいそう」と、複雑な思いを打ち明けた。
一方、斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)は「出納責任者が公選法というルールを破りながら議員を続けるのは疑問。有権者の理解は得られないだろう」と話した。
=2010/08/01付 西日本新聞朝刊=