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出産直後「母乳だけ」65%…宮城
NPO調査 全国平均より高水準
出産直後に自分の母乳だけで赤ちゃんを育てる母親が県内は約65%に上り、上昇傾向にあることが、NPO法人「みやぎ母乳育児をすすめる会」の調査で分かった。全国的にも高い割合という。
母乳で育てることにより、赤ちゃんの免疫が高まり、母子が精神的に安定する。子供が将来、生活習慣病になる危険性が低いことも知られている。近年は、出産直後から母親と乳児を同室にして、いつでも母乳を与えられるようにする施設が増えている。
調査は、医師、助産師らで作る同会が昨年11、12月、県内で産科、小児科を持つ延べ190施設にアンケート調査し、同49施設から回答があった。
それによると、出産直後に母乳だけで乳児を育てる「完全母乳」の母親は、1999人のうち1296人と、64・8%を占めた。2005年の前回調査に比べ、4・1ポイント上昇した。
母乳と人工ミルクを併用する母親も含めると、1983人(99・2%)と、ほとんどを占めた。ミルクだけとの回答は0・8%にとどまった。
1歳健診時でも、完全母乳の母親は、回答した117人のうち65人と、55・6%に上り、前回の28・9%を大きく上回った。
単純比較できる全国的なデータはないが、厚生労働省の2005年度の調査では、産後1か月時の完全母乳率は全国平均が42・4%だった。本県の母乳育児の割合はかなり高いと言え、同会は「特に仙台圏の産科施設で母子同室の取り組みが盛んなためだろう」とみている。実際、出産直後の完全母乳率を県内の地域別にみると、仙台市で78・7%と高く、県北は46・6%、県南は55・8%にとどまった。
同会の堺武男理事長は「医学的には早期に離乳する必要はなく、自然に卒乳するのを待てばいい」と話している。
(2010年5月26日 読売新聞)
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