上毛町が計画している医療・福祉3施設の民間無償譲渡に反対する「上毛町医療福祉行政を考える会」(宮崎勝廣代表、15人)が30日、署名活動を始めた。最低1000人の署名を目標にしており、8月23日に「民間への無償譲渡の見直しを求める請願書」とともに町議会に提出する。
町が無償譲渡を計画しているのは、町立国民健康保険直営診療所▽特別養護老人ホーム「たいへい苑」▽デイサービスセンター「さざんか荘」。
町によると、町行政改革大綱に基づき民営化に踏み切った。土地は有償だが譲渡後10年以内の購入を条件に無償貸与する。全職員の雇用と3施設の一括譲渡を原則に5月から引受先を公募、すでに選定作業に入っている。
「考える会」によると、3施設は旧大平村時代に「ふるさと創生事業」で、少子高齢社会を見据えて開設された。「民間へ譲渡するのは、地区の宝を奪うものだ」と批判。「福祉施設二つは黒字なのに、なぜ今、民営譲渡なのか信を問いたい」としている。
鶴田忠良町長は「すでに引き受け希望者によるプレゼンも始まっている。議会や自治会に説明もし、了承されている。民営化の方針は変わらない」としている。【陣内毅】
〔京築版〕
毎日新聞 2010年7月31日 地方版