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西武、雄星に暴行の大久保前コーチ解雇

 暴力事件について謝罪する(右から)西武・小林球団社長と前田球団本部長=所沢市の球団事務所(撮影・西岡 正)
 暴力事件について謝罪する(右から)西武・小林球団社長と前田球団本部長=所沢市の球団事務所(撮影・西岡 正)

 西武は29日、所沢市内の球団事務所で記者会見し、22日付で解任した大久保博元前2軍打撃コーチ(43)を解雇すると発表した。球団は具体名の公表を避けたが、同コーチが注目のドラフト1位ルーキーの雄星投手(19)に暴行したことが判明したため。後任の2軍打撃コーチについては編成部プロ担当の田辺徳雄氏(44)が就任することも発表された。

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 まさに“厳罰”だった。会見の冒頭で小林球団社長は、大久保前2軍打撃コーチを解雇すると発表。その上で「関係者へのヒアリングをし調査した結果、選手に対する暴行行為があったことが認められた」と公表した。

 発端は、選手会が7月14日に球団に対して大久保前コーチがアーリーワークの遅刻などで選手に高額の罰金を徴収していると報告したこと。同日、球団は前コーチにやめるように注意。だがその直後に、大久保氏は選手会に報告した選手を決めつけた上で暴行。球団は具体名の公表を避けたが、報告した“張本人”と疑われ、暴行されたのが雄星だった。

 本来は自主参加のアーリーワークを大久保氏は雄星ら寮生の若手投手に強制。遅刻に1分1000円などの罰金を徴収、積み重なって20万円近い金額を課された選手もいた。だが球団は罰金の徴収よりも、それをやめるように指示したにもかかわらず、雄星が選手会に“チクった”と決めつけて暴行したことを問題視した。

 コンプライアンス(法令順守)の強化を目指している球団としては大久保氏の不祥事が今回で2度目であることを重く受け止めている。同氏は08年に知人女性を殴り、軽いけがをさせた疑いで書類送検され、09年3月に略式起訴された。球団は大久保氏に“反省の色なし”と判断し、今回の処分に至ったもようだ。

 球団史上でも極めて異例の騒動となった今回の問題。球団は解雇という形で決着を図った。

(2010年7月29日)





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