|
プリオ再生 第２部�� |
 |
|
◆確信なき収支計画
豊川市諏訪地区の再開発ビル・プリオを運営する豊川市開発ビル（社長＝山脇実豊川市長）と豊川市は２６日、市議会協議会で、パチンコ店断念を表明。代わって示したのは、考えられる財政支援策を駆使したリニューアル計画と１０カ年の収支計画だ。今年度、第１駐車場改修、５階フロア取得、リニューアル資金の融資を実施。さらに１０年にわたって毎年、固定資産税相当額の増資を続け、４階フロアを賃借して公共施設を整備する。１０年間での合計は１１億２８００万円になる。しかし、これだけの税金を投入しても、「計画は脆（ぜい）弱で確信がもてない」という意見が相次いだ。プリオ再生への道はまだなお険しい。
【厳しい新店誘致】
同社は、パチンコ店断念後の新たなフロア構成案を示した。前回からの変更点は、パチンコ店断念で地下１階に空きフロアができたことと、４階の大半を市が賃借し、公共性の強いフロアにすること。
現在、新規テナントが内定したフロアの面積は６５０１平方メートル。この中には、市が４階と５階に整備する公共施設（詳細未定）の２３７６平方メートルを含んでいる。民間の新規テナントは、食品スーパー、知育アミューズメント、英会話教室、バレエ教室、デイサービス、飲食店の６店で４１２５平方メートルにとどまる。地下１階から４階までのうち、５２９０方メートルが未定だ。長引く不景気の中、あらためてテナント誘致の厳しさが浮き彫りになった。
【楽観的収支計画】
テナント誘致について厳しい報告をする一方、同時に示した１０カ年の収支計画は楽観的だ。賃料・共益費収入は、リニューアル２年目から３億４９２０万円と予想。４年目からはさらに増収も想定している。
ただし、これは、現在未定のフロアすべてにテナントが入居することを前提にしている。現在内定しているテナントのみでは、予想より９０００万円以上の減収となる。「これ以上の市の負担はないのか」という質問に、竹本幸夫副市長は「現時点ではこれが上限」と将来の負担増について明言を避けた。
前回示したパチンコ店計画は、市民の反対で断念に追い込まれた。今回示した１０カ年計画の成否は、今後のテナント誘致にかかっている。空きフロアが埋まらなければ、計画の前提が崩れ、再び暗礁に乗り上げる可能性がある。（石川正司）
|
|
 |
|
|
|