西武は29日、注目ルーキーの雄星投手(19)に対する暴力行為などがあったため、大久保博元前2軍打撃コーチ(43)を解雇すると発表した。埼玉県所沢市内の球団事務所で記者会見した小林信次球団社長は「暴行は許されるべき行為ではない。非常に重い行為と認識した」と説明した。1、2軍を問わず、シーズン中にコーチが解雇されるのは異例。
球団の調査によると、2軍の自主練習で高額の罰金が徴収されていることが選手会から報告されたのを受け、球団が大久保前コーチに中止を要請したところ、同コーチが訴え出た選手を2軍で調整中の雄星と決めつけて、暴行に及んだという。チームの統制を害する言動も認められた。暴力行為の詳細は明らかにされなかった。
球団は22日に大久保コーチの職を解き、球団本部長付とする人事を発表。その後は選手をはじめとする関係者への聞き取り調査を行っていた。後任には田辺徳雄編成担当が就き、フロントの管理責任についても今後発表する予定。
大久保氏は2008年に知人女性に軽いけがをさせた疑いで書類送検され、09年3月に略式起訴された。
西武・大久保博元前コーチの話
「後半戦が始まったばかりの大事な時期に渡辺監督はじめ、現場のスタッフ、選手に迷惑を掛けた。球団による調査が完結した時点で、自ら身を引こうとも考えていた。解雇の理由については納得できない部分がある。コーチとして不適切な行為をしたことはない。一部の報道では私の名誉を棄損する内容が示されている」
西武・小林信次球団社長の話
「球団として完全に暴行と認識している。最終的な処分の内容は(大久保前コーチ)本人も理解していただいていると思っている。再発防止として、野球に専念する環境をつくるように検討している」