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【高橋昌之のとっておき】早くも与党ボケ 民主党の消極的菅首相続投論 (3/3ページ)
代表選で本来、明確にされるべきなのは、民主党が何を目指す政党なのかということです。実は民主党には決定的な問題があります。それは政党として掲げるべき「綱領」がないことです。「基本理念」は一応、掲げていますが、それは野党時代に作られたごく簡単なものです。
綱領がありませんから、民主党がどういう政党なのか、いまだにはっきりしません。「大きな政府」なのか「小さな政府」なのか、経済政策、外交・安全保障政策など、どんな政党なのか説明できる人は、民主党議員でさえいないのではないでしょうか。野党ならそれでいいかもしれませんが、政権与党としては信頼して国政を任せることはできません。
昨年9月の政権獲得以降の迷走も、そこに原因があるのではないでしょうか。綱領という正式な基本理念がないから、個別政策として国政選挙で掲げるマニフェスト(政権公約)も一貫性がなく、後にぶれてしまいます。また、党内も「親小沢」か「反小沢」かといった属人的な要素で対立する状況が続いています。
私はこの際、9月の代表選は、目的を菅首相の再選か、交代かという矮小(わいしょう)化されたものにするのではなく、政権与党としての基本理念、つまり綱領の内容を競い合うものにしてはどうかと、民主党に求めたいと思います。
先の参院選の結果、参院では与党が過半数割れし、野党の協力が得られなければ法案は成立しません。しかし、民主党が明確な基本理念を持たないまま、個別政策で野党と交渉しても、野党に振り回されるだけで、綱渡りの政権運営が続き、日本の政治はますます混迷を深めるでしょう。
衆参ねじれ国会を乗り切ることがいかに困難なことかは、野党として臨んできた民主党が一番分かっているはずです。さらに現在の状況は、衆院での再議決に必要な3分の2の議席ももっていません。その状況を打開し、安定して政権を運営していくには、まず民主党が確固たる理念をもち、そのうえで国会運営の主導権を握らなければなりません。
民主党が政党としてまだまだ未熟なことは明らかです。その民主党が「与党ボケ」しているなら、何の魅力もありません。9月の代表選では、われこそはと思う人物を立ち上がって、党の理念や日本をどう導いていくかを示してほしいと思います。
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