現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. デジタル
  4. ネット・ウイルス
  5. 記事

日本のヤフーにグーグルが検索エンジン提供へ

2010年7月27日

 【米カリフォルニア州サンノゼ=山川一基】日本のインターネットサービス大手ヤフーと米ネット検索最大手グーグルが、検索事業を巡って提携する見通しになった。日本時間の27日午後にも発表する。検索事業の中核技術である検索エンジンを、グーグルがヤフーに提供する。日本の検索サービスのほとんどをグーグルの技術が占めることになる。

 日本のヤフーは今年3月末時点でソフトバンクが38.6%、米ヤフーが34.8%の株式を保有し、米ヤフーの開発した検索エンジンを採用している。しかし米ヤフーは昨年、米マイクロソフト(MS)と検索事業での提携を発表し、MSの検索エンジン「ビング」への切り替え作業を進めている。日本のヤフーはビングへの切り替えよりも、世界シェア首位のグーグルの検索エンジンを使った方が、サービス向上に有利と判断している模様だ。

 ヤフーは2001年から04年までグーグルの検索技術を採用していた。今回も当時と同様に、グーグルのエンジンを基盤とし、ヤフーが独自開発した日本語技術なども検索結果に反映されるよう手を加える可能性が高い。ヤフーはグーグルに対し、技術の使用料を支払うことになりそうだ。

 ヤフーの利用者にとっては、膨大な資金と研究者をつぎ込んで世界最先端にあるグーグルの検索技術と、ヤフーの多様なネットサービスが組み合わされることで、サイトの使い勝手が高まることが期待できる。

 一方、日本の検索市場でヤフーとグーグルの合計シェアは9割に迫るとされる。どちらのサイトで検索しても検索結果が似通ったものになれば、情報の多様性が損なわれる懸念もある。

 グーグルとヤフー、MSの検索サービスは、検索した言葉に応じて表示するウェブページの順番がそれぞれ異なる。どのページが重要かを判断する検索エンジンの仕組みが異なっているためだ。グーグルはそのページに張られているリンクの量をより重視していると言われるが、各社は細かい仕組みを開示していない。

     ◇

 〈検索エンジン〉 ネット上にあるウェブサイトなどの情報を周期的に収集するプログラム。収集した情報をデータベース化し、検索結果に反映させる。米グーグル、米ヤフー、米MSなどが独自のエンジンを開発している。

検索フォーム

おすすめリンク

世界最多の外貨準備を誇り、世界の工場に成長した中国。経済成長に限界はないのか?

入社した直後に「退職」を促される悪夢。闘う当事者たちが、自らの体験を語った。

更生計画をめぐり、銀行団とJALサイドの攻防が続く。再建には数々の問題が…。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

クラウド・コンピューティング特集

新たなIT時代を読み解くキーワード「クラウド」を理解するには?

デジタル関連の本

表紙画像

電子書籍の衝撃 [著]佐々木俊尚

5月28日、ついに日本でもiPadが発売された。電子書籍リーダーとしては、2007年に登場して以来ア………

表紙画像

ヤフートピックスを狙え―史上最強メディアの活用法 [著]菅野夕霧

ヤフー・ジャパンのトップページに置かれるニュース「ヤフートピックス」。新聞社や放送局など約150のメ………

powered by Amazon.co.jp