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「法律上の職務、重い決断」 1年ぶり死刑執行
このニュースのトピックス:死刑制度
「私の命令の下に2名の死刑を執行しました」。28日、就任後初めての死刑執行を発表した千葉景子法相。「見届けるのが責任」とも述べ、執行に立ち会ったことも明かした。昨年の7月28日以来の執行となったが、過去の法相では民間出身で執行したり、執行命令書への署名を拒否したりした例や、「自動的に執行が進む方法を考えてはどうか」との発言もあった。
平成5年に発足した細川(護煕(もりひろ))内閣では、民間から弁護士の三ケ月章氏が法相に就任。在任中に計4人の死刑を執行した。羽田(孜(つとむ))内閣では永野茂門、中井洽(ひろし)両法相とも執行はなかった。
弁護士出身で17年に就任した杉浦正健法相は、初閣議後の記者会見で、「心の問題、宗教観」などを理由に、死刑の執行命令書にはサインしないと明言。発言はすぐに撤回したが、在任中の執行はなかった。
19年に就任した鳩山邦夫法相は、約1年間の在任中に13人の死刑を執行、「法相に責任をかぶせるのではなく、自動的に執行が進む方法を考えてはどうか」などと発言。死刑囚の名前などを明かし、法相が会見する方式を定着させた。
千葉法相の死刑執行について、ある法務省幹部は「大臣の職責と政治家としての信念を同時に考えた結果、このタイミングだったのだろう。法律上の職務を避け、きれいごとだけで議論してもだめだという思いがあったのではないか。立ち会ったことも重い決断だと思う」と話した。