【ワシントン=望月洋嗣】米陸軍は29日、増え続ける兵士の自殺について分析した報告書を発表した。自殺者は2004年以降、毎年増加し、09年は162人と過去最悪を記録。自殺未遂も約1700件にのぼった。陸軍での自殺率は10万人あたり20.2人で、米国全体の平均自殺率(10万人あたり19.2人)を上回っている。
報告書によると、自殺者の6割は入隊後間もない兵士。離婚など私生活上の問題に区切りをつけようとして入隊した兵士らが自殺するケースが多く、20代後半で入隊した兵士の自殺率は、18〜20歳で入隊した兵士の3倍になるという。自殺者の29%は薬物使用や飲酒の記録があり、25%は犯罪行為への関与について捜査されていたという。
報告書は「約10年にわたって、前例のない作戦のテンポの元で働く影響をだれもが自覚している」とし、イラクとアフガニスタンでの戦争への「繰り返し派遣」による兵士や家族のストレスにも言及している。