2010年07月29日

いつ、誰が、誰に、どういった場面で

昨日書いたエントリに頂いた反応の中に「時と場所」だけでなく相手がどういう人か、どういう状況にあるかを考えないとダメでしょ(大意)というものがありました。
少し補足します。

「時を選ぶ」には、相手がどのような状況にあるかという時勢が含まれますし、「場所を選ぶ」というのは、家庭内(自分の子どもが対象)なのか、友人や近しい人との雑談中なのか、など、話す相手が誰か、どういった場合に話すか話さないかという選択も当然含まれます。

前提としてそういったことを考えながら書いたわけですが、一般に「性暴力被害からの自衛法」を誰かにアドバイスする機会は、あまりないと思います。
私も、いろいろな場面で何度も「レイプ神話」を否定する話(被害者責任論の否定)をしたことはありますが、経験や知識を元に「性暴力被害からの自衛法」をアドバイスしたのは、自分の子どもだけです。

想定できる例外的なケースがあるとすれば、子どものための防犯教室のようなものでしょうか。

CAP「子どもワークショップ」というプログラムがあります。
( NPO法人 CAPセンター・JAPAN http://www.cap-j.net/ )

私も10年ほど前に大人のためのワークショップに参加して、「子どもワークショップ」が、どのようなプログラムかを知りました。
対象となる子どもの年齢や環境による5つの段階のプログラムがあります。誰しもが持っている基本的な人権の話(自信、安心、自由)から始まり、「いじめ」「連れ去り」「性暴力」などからの身の守り方や(どの程度の距離まで近づいてもいいか、声をかけられたらどう答えるか、危険が迫った時の特別な声のだし方など、具体的な方法)、被害にあったらどうすればいいか、そして「被害にあったのはあなたが悪いからではない」というメッセージまで盛り込まれたワークショップは秀逸です。(それでも、すべての人を傷つけないという保障はない)

また、ワークショップ後に自分が遭った被害を打ち明ける子どももいるため、ワークショップの事前準備として、主催者(学校や子ども会など)に対処法をレクチャーする事までをも含みます。

「自衛法」を人にアドバイスするには、このような周到な準備と心構えがないとできません。素人が不特定多数を相手に何か言えるような簡単なことではないと私は考えています。

 

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