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30年間開かずの間!?同居の孫「開けるなと強く言われた」…“111歳”ミイラ遺体事件

ミイラ化した遺体が発見された東京・足立区の民家

 東京都足立区の民家で「111歳」とされていた無職・加藤宗現さんとみられる遺体が発見された事件で、同居している孫の女性(53)が千住署に「『部屋を開けるな』と強く言われた」と話していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。部屋の内側には箱や紙が積み上げられ、約30年間“開かずの間”状態だった。また、遺族年金が振り込まれていた加藤さん名義の口座から、少なくとも600万円が引き出されていたことも判明。同署は詐欺容疑で調べている。

 捜査関係者によると、加藤さんは真言宗の開祖、空海の教義に傾倒していて約30年前、家族に「即身成仏したい」と言って自室に閉じこもり、食事や水も取らなかった。

 孫は「祖父の言うことは絶対で、『部屋を開けるな』と強く言われた」
話しているという。家族は指示に従い、長年、部屋にかかわらないようにしていた。

 頭部が白骨化した遺体が見つかった部屋の扉の内側には、大量の箱や紙類が積み上げられていた。外部からは簡単に開けられない状態だったという。室内にあったのは1978年11月の新聞や足立区広報紙など。それ以降の新聞はなく、死亡したのはその頃とみられる。千住署は家族が加藤さんの意向に逆らえず、30年以上、放置していたとみている。

 担当の民生委員が約17年前に最初に自宅を訪問した際、家族は「(加藤さんは)体調不良で休んでいる」と説明し、会わせることを拒否。以後も同様の対応が続いたという。

 加藤さんの長女(81)と孫の女性、孫の男性(49)の3人が室内のベッドの上に頭蓋(ずがい)骨があるのを確認したのは今年3月25日。孫の女性は同署に「この日は扉が開いていた。祖父は普通の人ではなく、パワーを持っていたため、扉が開いた」などと“開かずの扉”について話しているという。

 また、加藤さんに対しては、69年から妻が死亡した2004年8月まで、年額数十万円の老齢福祉年金が支払われていたとみられる。妻の死亡後に、家族がより支給額の高い遺族年金への切り替え手続きをしていたことも判明。妻の死亡以降は、遺族年金計945万円が加藤さん名義の口座に振り込まれたが、約340万円しか残っていないという。同署は、今月15日に50万円が引き出されるなど、23日までに6回計270万円が引き出されたことを確認。家族から詳しい経緯を聞いている。

(2010年7月31日06時02分  スポーツ報知)

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