東京都足立区の民家で、都内最高齢の「111歳」とされた加藤宗現(そうげん)さんとみられるミイラ化した遺体が見つかった事件で、加藤さんの口座に振り込まれた死亡した妻の遺族年金計約950万円のうち、約610万円が引き出されていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁千住署は家族が引き出したとみて、詐欺容疑で捜査を進めている。
加藤宗現さんとみられるミイラ化した遺体の下には、電気毛布が敷かれていたことが30日、新たに判明した。捜査関係者によると、電気毛布はスイッチが入っていたが、通電していなかった。何らかの原因で故障した可能性もあるという。
同署は28日、1階寝室の電気毛布が敷かれたベッドで遺体を発見。仰向けで頭は白骨化していたが、体はミイラ化が進んでいた。高温になることで乾燥しミイラ化が進んだとみられる。捜査関係者によれば、遺体は乾燥しやすい状況になると水分が急激に失われ、腐敗せずにミイラ化するという。
加藤さんは約30年前から自室に閉じこもったままで水も食事も取らなかったといい、警視庁千住署は死亡時期の特定を急いでいる。