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(2010年7月25日付)
27日の口蹄疫非常事態宣言全面解除を目前にした24日、再開される見通しの宮崎市内の公共施設では着々と準備が進んだ。県内で唯一残っていた同市跡江を中心とする移動・搬出制限区域にかかるため、休業や閉館していた図書館や美術館、運動施設などは約1カ月半ぶりの再開。夏休みを迎えた子どもや保護者からは歓迎の声が上がっている。
6月12日から閉館している県立図書館には、県内多くの小中学校が夏休みに入った21日以降、再開時期に関する問い合わせが増えているという。同館情報提供課の上谷政隆課長は「例年、夏休みは宿題や試験勉強で利用する子どもが多い。公共施設は開館してこそ存在価値があるとあらためて思った」と語る。
閉館前に約1万3千冊を貸し出している同館。「返却が集中する可能性がある」(同館)ため、開館直後に利用者が増加することへの懸念も抱える。同館は返却窓口を3カ所増設し、窓口に職員を増やして対応するほか、返却期限を2週間延長して8月10日までに設定するという。
同じく6月12日から休館中の同市・宮崎科学技術館は、6、7月合わせて、計25のイベントや教室を中止した。「子どもの声が聞こえずに寂しかった」と同館の沼口浩館長。
同館は機械式の展示物が多く、休館中は定期的にメンテナンスを行い、再開に備えてきた。昨年度の入場者約14万7千人のうち、8月は約3万5千人と来館者が一番多い月。「夏休みの間に間に合ってほっとしている。8月はイベントがめじろ押しなので、ぜひ来てほしい」と話す。
再開を心待ちにしていた子どもや保護者からは、一様に喜びの声が上がる。宮崎科学技術館や大淀川学習館などをよく利用していたという同市・加納小5年桐明知里さん(11)は「夏休みが始まったけど、することがなくてデパートばかりに行っていた。デパートより施設の方が楽しい」と笑顔。
1歳と3歳の子どもを持つ、同市吉村町、主婦藤本聡子さん(27)も「閉館前は毎日、宮崎市内の交流センターを利用していた。子どもたちの遊び場というだけでなく、親同士の貴重な親睦(しんぼく)の場。再開後は早速行きたい」と話していた。
【写真】約1カ月半ぶりの再開に向け準備を進める県立図書館=24日午後、宮崎市