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非常事態解除 県民「日常」取り戻す

(2010年7月28日付)

 口蹄疫問題で27日午前0時に家畜の移動・搬出制限区域と、県の非常事態宣言が全面解除されたことを受け、県内最後の発生となった宮崎市を中心に、図書館など閉鎖していた公共施設の多くが同日から再開した。夏の高校野球宮崎大会も無観客試合が解かれるなど、県民生活は非常事態宣言以降、71日ぶりに全県的に「日常」を取り戻した。一方、県は同日、全域での消毒態勢について、8月1〜5日開催の全国高校総合文化祭(高総文祭)・宮崎大会以降は縮小する方針を明らかにした。

 宮崎市で6月10日に市内1例目の感染疑い確認以降、感染拡大を防ぐため、市内の91公共施設(県立4施設、市立87施設)が休館・閉鎖となっていた。このうち89施設は28日までに再開する。

 27日は県立図書館や県総合博物館、宮崎市の市立図書館や宮崎科学技術館など、主だった公共施設が業務を再開。特に夏休みの利用が多い図書館は、本の返却や貸し出しの市民で混雑。このうち県立図書館は午前9時の開館前から利用者が列をつくり、本の返却窓口を新たに3カ所増やして対応した。

 閉鎖されている2施設は、宮崎市フェニックス自然動物園と同市高岡町の瓜田自然プール。動物園は施設点検などの後8月8日、瓜田自然プールは同7日に再開予定。

 甲子園出場を懸けた夏の高校野球宮崎大会は16日の開幕から、選手とその保護者を除き無観客試合で実施。27日の準決勝からは観客を受け入れ、会場のサンマリンスタジアム宮崎(宮崎市熊野)は在校生やファンら約3千人がスタンドを埋めた。

 一方、県は非常事態宣言解除を受け、防疫対策本部と復興対策本部の合同会議を県庁で開催。県内に現在315カ所設置している消毒ポイントについて、高総文祭が閉幕する8月5日までは現在の態勢を維持し、その後は180カ所に縮小する。また、ふん尿の堆肥(たいひ)化処理を終える8月27日をめどに「終息宣言」を予定しているが、その後は国や専門家と協議し、さらに消毒態勢を見直す。

【写真】無観客試合から一転、本来のにぎわいが戻った夏の高校野球宮崎大会会場のスタンド。生徒たちは一投一打に声援を送った=27日午前、宮崎市・サンマリンスタジアム宮崎