佐賀市で２００７年、知的障害者の安永健太さん＝当時（25）＝が警察官に取り押さえられた直後に死亡した事件で、付審判請求により特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた警察官（29）の第３回公判前整理手続きが８日、佐賀地裁（若宮利信裁判長）で開かれた。これまでに双方が申請した証人28人のうち、21人を採用（１人は重複申請）。12月22日の第10回公判まで予約期日が決まり、裁判は長期化する可能性が出てきた。

　同日までの手続きで採用された証人は、警察官側が22人申請したのに対し15人。検察官役側は申請した７人全員が採用された。採用を保留した警察官側の証人７人については審理の進行をみながら採否を判断する。

　警察官側の弁護団は、安永さんが自転車で車道を蛇行して警察官に抵抗したとされる事件前後の流れ全体を審理すべきと主張。一方、検察官役の弁護団は、取り押さえ場面に重点を置いた立証を計画しており、対立していた。同日の手続きで、裁判官は事件前の場面に関係する証人を採用し、審理する姿勢をみせた。

　公判前整理手続きは今回で終了。今月29日の初公判から月２、３回のペースで審理する。