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2010年6月28日 (月)

要求的吠えかどうかの判断と対処

先月から、パピートレーニングが増えているのですが、
吠えて困る、という飼い主さんの訴えに、よくワンちゃんを
観察してみると、どの子も「要求的吠え」が強いことが
わかりました。


子犬に限らず、犬の過剰な吠えが要求的なものか、不安や
恐怖などによるものなのか、これはひたすら観察する以外に
判定する方法はありません。


しかし、こちらの対処法として行う空き缶投げつけ、や、
リードを付けた状態で行動を拘束する、で吠えが収まる、
ワンちゃんの行動が落ち着く、というのであれば


「不快な刺激を与えた時に落ち着くものは、要求的吠え」


という原則にのっとって、「要求吠えである」と判断します。


子犬の要求は、遊んでほしい、自由に動きまわりたい、
お腹が空いた、ととても単純です。単純ですが、性格的に
強い子犬は、要求も強く、長く続くことが多いので


「今はその要求は通らない、静かにしていなさい」


という、人間側からの「積極的な意思表示」が必要です。
無視をしていても、要求の強い犬は、簡単には諦めて
くれないので、飼い主さんが根負けしたり、近所への配慮
(集合住宅など)から、要求に応じざるを得ない、という
ことになってしまいます。


犬の要求には、叱ってはいけない、無視では足りない、
「今は応じられないと、こちらが明確な意思表示をする」
が正しい対処法になります。


ちなみに、要求することは「悪」ではありません、
飼い主をなめているから、ということでもありませんが、
要求が通るかもしれない、要求が通る、と感じた時の
犬の要求的行動は、とてもしつこいものです。


要求時だけでなく、普段の生活でも、一定の毅然とした
態度を犬に見せる、ということも犬とも暮らしには欠かせない
飼い主の心構えだと思います。


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2010年6月21日 (月)

犬の食事量を真剣に見直すときがきた

パピートレーニングのご相談で、最近よく受けるものに、

家に来て間もないワンちゃん(1週間~3週間)が、
極度の不安状態で、飼い主さんが目の前にいるにもかかわらず、
サークルの中で激しく吠え続けたり、出かけるサインに敏感に反応し、
耳をつんざく悲鳴をあげ続ける、という症状があります。


飼い主さんから、常時愛情を受け続け、べったりになってしまった
ワンちゃんが、独りで過ごすことに耐えきれず、不安症状を表わす
という、「分離不安」と非常に似た症状ですが、


家に来て間もない子犬ちゃんが、飼い主さんに非常に愛着を持って・・・
というのは理由としては「しっくりこない」し、仕事をもっていてあまり
ワンちゃんを構えていない、という飼い主さんのワンちゃんでも、
いつも家にいる、という飼い主さんのワンちゃんでも、


関係なくこの症状は表われます。


その「強烈な不安症状を出すワンちゃん」に、共通しているのが、


非常に痩せている


という、身体的特徴です。


そもそも、生後4か月くらいまでの子犬の食事は、


満腹するまで与える


が基本です。何度も子犬を育てた経験から言っても、、
子犬は自分が必要とする量しか食べない(それが人間から
見て多く見えたとしても)ものなのです。


生後2ヶ月くらいまでは、お腹がパンパンになって、動けなくなる
くらい食べることもありますが、だんだん成長とともに食べる量が
減ってきます。飼い主さんは、それに合わせて食事量を調整
していけばよいのであって、


「この体重だから、何グラム」


なんて、まったく必要ないんです。
・・・と説明すると、真っ先に言われるのが、


・ペットショップで指導された(与える量を)
・獣医師から、「この体重でちょうどよい」と言われた


でも、実際に与える量を普段の3倍~4倍にしていただくと、
不安症状が激減します
。また、出かける際に不安症状を
見せたとしても、おやつを与えて食べているすきに出かけると、
その後吠えずに過ごせることがほとんどなのです。


食事量に問題がある、と思われるのは子犬だけではありません。
成犬であっても、痩せすぎによる精神面の悪影響を感じるワンちゃん
は決して少なくありません。犬は基本、ペットとして私たちの
そばにいるわけですから、飢餓状態で良いことは、ほとんどない・・・
と私は考えます。


食餌はただいっぱい与えればいい、というものではないので、
その件はまた別に書きますが、


とりあえず、犬は痩せていればOKでしょ?


という考え方を、見直す時期が来ていると、強く感じているのです。


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