2009-12-25
フリーを支える人が増えれば世の中は面白くなる
無料で使えるものがネットを席捲しています。ゲームも、ニュースも、音楽も無料なものが増え世界に様々な影響を引き起こしています。無料のソフトウェアが従来のビジネスモデルに脅威を与えていますし、有料の新聞や雑誌は存続さえ危うい厳しい状況に追い込まれています。
サービスに金を払うことが当たり前だった時代に比べてパラダイムがシフトしています。無料のサービスが幅を利かせて、無料で当然という考えが身に付いてしまった社会はどうなってしまうのでしょうか。クリエイティブなことをするにはなんらかの資本が必要です。作り始めるにはその人間がどれだけの想像力をもってしても資本がなければ何もなす事ができないからです。無料でサービスを作り出すには、その資本を誰が担保しなければなりません。資本主義社会に対して表現するには、社会とコンタクトする仕掛けが必要なのです。
資本は利益を生むかどうかを考えて投下されます。その最終出口である利益が得られないものであるならば誰も資本など投下しません。最終的にフリーを支えるのは、余剰時間と評価、注目という心理的なものだけになります。これではフリーは急速には拡大しないし発展しない。クリエイティブなモノに対して対価を支払うことはそのクリエイターを経済的に支えることに他なりません。一時、音楽業界で話題になった著作権の問題も同じ構造です。
サービスに金を払わない。
破綻したときに困るのは誰か。それはクリエイターであり、それを楽しみにしていた消費者です。自分が何か進歩したい、何かを作り出したいと思うのなら様々な形で支援していく必要があります。その支えは経済的な面においては最低限クリエイターの生活を保障するものであり、創作活動を支えるモノであるべきです。そして非経済的な面においては感謝や応援などの評価に該当するものだと思います。
価値やアイデアは何らかの支えがなければ建つことはできない。
それを間接的に支えるのがグーグルやアマゾンや楽天であるならば、彼らの助けはクリエイターにとって重要なインセンティブとなります。クリエイトする方向よりも広告や宣伝に力を入れなければならない状態はクリエイターにとって不都合でしかありません。広告代理店が中に入って暴利を貪る環境を許したのもその影響があるのではないでしょうか。ブクマやRTから始まり、さまざまな影響力に対する支援がもっと広がれば、様々な面白いプロジェクトはもっと花開くと思います。
参考文献
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
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参考記事
「あなたのやり方が悪いので私は動員されません」という責任回避