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県立十日町病院:現在地へ建設、地権者から不満噴出--小黒沢で説明会 /新潟

 ◇用地提供応じたのに

 県立十日町病院(十日町市高山)の建て替え候補地について「現在地での建て替えが最もふさわしい」とした検討委員会の報告についての住民説明会が28日夜、候補地の一つだった同市小黒沢地区で開かれた。同地区は病院の建て替え地として土地を提供すると市に同意書を提出していただけに、参加者からは不満が噴出した。関口芳史市長は謝罪したうえで理解と協力を求めた。

 同病院の建て替え計画が浮上したのは、04年の中越地震が契機。震度6強の揺れに見舞われ、壁にひびが入り、早急な建て替えが迫られた。

 当時の滝沢信一市長は、小黒沢の近くに南魚沼市-上越市間を結ぶ高規格道路の十日町インターが建設されれば、南魚沼市に建設予定の基幹病院への患者搬送に利便性があり、地域振興にもつながるとして病院の建設用地の提供を呼びかけた。これを受け地権者23人が約7ヘクタールを提供する同意書を提出した。

 ところが、川西町などと合併後の05年5月、田口直人市長に代わると、当初は小黒沢への移転案を踏襲したものの、任期終盤になって「病院を他地区に移転すると中心市街地が空洞化する」と、現在地での建て替えに方針変更した。

 そして09年4月、「建設場所は知事、県当局と協議して、一刻も早く建設に着手したい」との公約を掲げて当選した関口市長は、棚上げ状態にあった建設地問題の早期解決を図るため、第三者機関の検討委を設置。四つの候補地についての審議をゆだね、その結果、「現在地が最もふさわしい」との結論を得た。

 この日の説明会には地権者ら約30人が参加。関口市長は「当時、(助役として)同意書のとりまとめにかかわった者として申し訳ない」と謝罪。「検討委の答申内容について理解してほしい」と訴えた。これに対し地権者からは不満の声が相次ぎ、地元市議からは「訴訟も辞さない」との意見が出た。

 小黒沢集落の総代、宮沢甲一さん(63)は「地権者の善意を裏切ったことは遺憾に思う。今後は地権者らと具体的な地域活性化策について話し合い、市に要望したい」と話した。【神田順二】

毎日新聞 2010年7月30日 地方版

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