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取材ノートから:しゃくし定規 /山形

 「罪の意識を直接聞きたい」と息子を殺された父親らが受刑者に起こした民事訴訟。13日、受刑者は出廷したが質問は実現しなかった。裁判長が「受刑者が(民事での)訴えを認めているので必要ありません」と断ったからだ▲遺族側の弁護士によると、受刑者の心は揺らぎ続けた。2月2日に初弁論があったが、出廷しなかった。このまま出廷しないと思われたが、4月6日の次の弁論を前に出廷の意思を突然示した。警備の都合などで裁判所は期日を6月1日に延期したが、結局姿を見せなかった▲弁護士は手紙を送り出廷を促した。そしてようやく実現した受刑者の出廷。6時間以上かけて訪れた遺族の前で、裁判長は「待った」をかけた。あまりに「しゃくし定規」な対応だと感じた。【鈴木健太】

毎日新聞 2010年7月28日 地方版

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