少年マガジンに自分そっくりの「不良キャラクター」を描かれ肖像権などを侵害されたとして、東京のアパレル会社社長の男性が、発行元の講談社に440万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は28日、慰謝料など55万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
松並重雄裁判長は「男性の外観、人物像を侮辱しており、名誉感情と肖像権を侵害した」と述べた。ただ「読者は創作と分かる」と述べ、名誉棄損だとの主張は退けた。
問題になったのは、2009年10月発行のマガジンに掲載された漫画「ゼロセン」。判決によると、漫画には、男性がモデルをつとめた雑誌の写真と、髪形や顔の輪郭、サングラスが酷似する登場人物が不良グループのリーダーとして描かれている。
男性は知人を通じて漫画を知り、講談社に抗議。筆者は無断で男性の写真を参考に描いたことを認め、男性に謝罪していた。
判決は「男性が『渋谷系不良ファッション』の『悪羅悪羅(オラオラ)』系ファッションリーダーであることなどから、登場人物は男性を連想させる」と指摘。中学生にたたきのめされ惨めな姿で横たわる場面は「男性の名誉感情を害し、社会通念上、許される範囲を超えている」と判断した。
講談社広報室は「主張が一部認められず、誠に残念です」との談話を出した。