2010-07-30 素材に助けられて
弾切れ近し
Today |
今年も、あの戸隠の直売所*1で大量に野菜を購入してきたが、モロッコインゲン、ピーマン、グリーンセロリはすでに消費し、あと、丸ナスとかぼちゃを残すだけ。
で、料理はやはり素材が大事なんだなと実感。腕がたいしたことなくても、仕上がりがちがうのに驚くよ。どうしてなんだろうね。
いじめマイスターとスイーパー
heureka |
琴線に触れた記事。
デーブ大久保が解雇された件からの考察。
簡単に言うと、わきあいあいとしたムードを作るために、誰かをいじめの標的にしていくイジメ上手、“いじめマイスター”のような存在がいるってこと。そして、いじめマイスターは、そのいじめ技術ゆえに、上司のおぼえもめでたく、部下から慕われるという話。なにが怖いって、単なるうっぷんばらしレベルではなくて、こういういじめマイスターたちは、人を操る技術として巧妙にいじめていくんだよなぁと。
怖いよねぇ。
で、↓の本とかが流行っていたころ、聞いた話を思い出した。
大した話ではないので。
弱小企業がなんらかの技術や製品で大成功して、大きくなるときに管理部門がうまく機能しなくて、ゴタゴタするときがある。そういうときに、会社らしく整える技術がある人が経営陣に加わって整えることがある。経理や法務というわかりやすい技術ではなく、主に人事の面。社長や専務クラスは、専門技術はあっても、営業や管理部門をどうするかが下手だったりするので。
今は、そういう専門職やアウトソーシングを請け負う企業が出ているかもしれないんだが。昔の話なんで、そういう技能が高い人は、なんとなく紹介されて、いろいろな企業を渡り歩いていたようだ。
で、そういう人・Wさんとたまたま知り合いになって、話をしていておもしろいなぁと思ったのは、必ず、どこかで彼は追い出される。どんなに会社が成長しようが、彼が多大な貢献をしようが。そして、彼自身も、追い出されるのは、多少は仕方ないと思っていること。
確かに、Wさんは、日常業務としてなにをしているかと言えば、人がそれほど多くないから仕事もあんまりないことが多い。で、社長の愚痴を聞いたり、いろいろな部署でヘルプをしたり、店頭に立ってキャンペーンをしてなんか売ったり。
「傍から見ていると、なにをしているのかと思うでしょうねぇ。そのくせ、えらそうな感じだしw」
社内的には、社長がなぜ、Wさんをこんなに高く評価しているの? 給料は安くないし。重大な決断の際には必ずそばにいるみたいな。変な存在。なんなんだろうって扱いになってしまうそうだ。
そんな彼が、なぜ、必要とされるのか。これは私の分析なので、当てはまっていない部分もあるだろうが。
中小企業には人があまり来てくれない。今、人材がいれば、もっとビジネスを大きできるのにってチャンスを感じても、限られた人材の中でどうにかせねばならない。そして、創業当時からの癖のある人材も多い。経理が奥さんとか、営業が弟とか、情がからんで適材適所にはなりにくい。
彼はこう考える。
「うまくはまれば、誰でも使いどころがある。頭の良し悪しとか、実績よりは、その場、その場でどう動けるか。動けないなら、どうしたら動くようになるか。こっちがおぜん立てすればいい」
Wさんは、いろんな部署を手伝いながら、社内で浮いている人材や問題を抱えた人を探して、うまくいくようにフォローしていく。前職で問題が多かった人でも、うまく定着して、効率を上げることは多かったらしい。往々にして才能があるタイプは、人間関係が下手だったりするので、そこがうまく回るだけでもOKなんだとか。
「カウンセリングみたいなこともしてますなぁ。できる課題を与えて、できたらほめて自信持たせて、次の課題を与えて、怠ければ叱咤激励」
よくあったのは、創業時からのメンバーが主導するわきあいあいとした職場に加わることだったそうだ。だいたい、そこには、いじめマイスターのような人がいて、新参者のWさんを標的にして、結束を保とうとする。
「これじゃダメなんです。会社としてルールがなくては、彼ら以外の社員、新しく入ってくる社員のやる気がでない」
と淡々とルール作りと、それぞれの能力にあった仕事量を割り振り、足りないところは新規の人を入れて補強する。その結果、出来上がった職場はわきあいあいとした職場にはならない。自分の仕事が終わるとさっさと帰る人は帰る。直行直帰してしまう人も多いし。休暇もきちんととる。でも、とらない人はとらないし、徹夜が好きな人たちは徹夜しているような、まとまりがない状態の社内ができあがる。でも、業務は順調に処理されているし、問題はない。
実は、それがやっかいらしく、最終的にいつも辞めてしまうのは、社長から「お前なんかいらない」と言われるからだそうだ。面と向かっての解雇通知。まぁ、毎度そんな感じなので、彼自身も「了解しました」と即荷物をまとめて出て行く。
辞めた経緯をいくつか聞いて、なるほどと思ったのは、彼の思想と言うか、美学みたいなものがあって、「社長に盲信的な社員を作るならば、オレは必要ないだろう」ってことらしい。組織と個人は一体化するのがそもそも無理なんだから、組織としての機能するためにルール作りと、それを社内に周知させるしかない。で、社長がかかげるポリシーというか、文化に沿って、どういう組織にしていったらいいのか、こういうルールだけは守って、自分で判断せよと。
そうなると、社長からは「さぼっているんじゃないか」という声が出たりする。まぁ、もっと見えるような形で、汗流して働けってことらしく。特に業績が停滞してくると、「これじゃダメだろう」と言われて、方針転換を迫られ、それでは効率が上がらないとぶつかってケンカ別れするケース。
多いのは、しばらくすると、仕事がなくなってしまったために解雇されるケース。ひとつは、何百人規模の会社では、彼のような才能だけで人事を管理するのはむずかしくなってしまうこと。もうひとつは、出来上がった組織、ルールが徹底されて、文化ができつつある場では、彼の仕事がなくなってしまう。
そうなると、社長は、彼に金を支払うのが惜しくなるようで。
「最近、思うのは、自分は人を見る目がないのかもなと。でも、まぁ、自分に関わることは本職の占い師でも占えないって言いますし。もう社長ってそういう人たちなのかなと思うようになりました」
いじめマイスターや社長だけではなく、人って自分が理解できる範囲で、理解できるような形で生きていてくれるのが、楽だったりすることも多いんだろうね。自分でコントロールできる世界を作るのが、いちばん楽なんだ。
自分も、子どもとの関係を振り返ると、この辺、怖いな。自戒せな。