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【プロ野球】

西武が大久保前コーチ解雇 雄星に暴行

2010年7月30日 紙面から

 西武は29日、埼玉県所沢市の球団事務所で記者会見を開き、新人の雄星投手(19)に対する暴力行為などを含む不適切な指導があったとして、大久保博元・前2軍打撃コーチ(43)を29日付で解雇したと発表した。会見に臨んだ小林信次球団社長は選手への聞き取り調査の内容も公表し、雄星への暴行行為があったことを認め「暴行は許されるべき行為ではない。非常に重い行為」と処分理由を説明。今回の問題に憤慨していた後藤高志オーナーも処分に同意した。

 球団が大久保前コーチの暴力行為に対し、後藤オーナーの意思を反映する形で“厳罰”を下した。

 会見で小林球団社長は「関係者のヒアリングを行った結果、選手(雄星)への暴行行為が認められた。高額な罰金を徴収していたことも選手会からの報告で認識した」と語った。

 大久保コーチの指導者らしからぬ態度と行為は、2軍選手の間で早くから疑問視されていた。アーリーワークで雄星ら新人や若手投手に高額の罰金を課し、野手にも細かく罰金制度を設け徴収していたが、それが選手にとっては大きな負担になっていた。

 6月中旬には野手の不満が限界に達して選手会に報告。雄星ら若手投手も選手会に過剰の罰金に対する負担を訴えた。小林社長によると「やめるように」と指示したが、大久保前コーチは「誰が選手会に言いつけたのか」と犯人捜しを始め、雄星と決めつけて暴力行為に及んだという。

 前田球団本部長は、雄星が暴力を受けた事実を知ったのは「選手会からの報告で7月14日」と説明した。そのため22日にコーチの職を解き、球団本部長付とする人事を発表。その後は選手をはじめ関係者への聞き取り調査を行っていた。

 後任には田辺徳雄編成担当(44)が就く。小林球団社長は「行沢監督とコーチのコミュニケーション不足。チーム内部への目配りが足りなかった。このたびの管理責任の甘さは私も含めた球団幹部にある」とも話した。フロント陣の責任問題も含め、今後も球団は“デーブ余波”に揺れそうだ。

◆解雇理由「納得できぬ部分も」 大久保前コーチがコメント

 西武から解雇通告を受けた大久保前コーチは29日、コメントを発表した。

 「私、大久保博元は、本日、埼玉西武ライオンズ球団から、解雇通告を受けました。

 今回の件では、後半戦が始まったばかりの大事な時期に、渡辺監督はじめ現場のスタッフ、選手にご迷惑をおかけしたと承知しています。だから球団による調査が完結した時点で、みずから身を引こうとも考えていました。若い選手たちには、やりかけた仕事を途中で投げ出すことになってしまい、本当に申し訳なく思っています。

 私にとって一番大切なものは、渡辺監督をはじめとするチームメイト、スタッフ、そして、全国のプロ野球ファンのみなさまです。ファンのみなさまには、これからもライオンズに温かい声援を送っていただきたいと思っています。

 なお、解雇の理由については、納得できない部分があります。私はコーチとして不適切な行為をしたことはありません。また一部の報道では私の名誉を毀損する内容のものが示されています。これらについては、代理人弁護士と相談しながら、今後の対応を考えてまいります。

 平成22年7月29日 大久保博元」

 

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