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【大リーグ】

松井 地元紙の放出リストに! 4連敗、もはや真夏のストーブ

2010年7月30日 紙面から

レッドソックス戦の6回、打ち上げた打球を見上げるエンゼルスの松井秀=エンゼルスタジアムで

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 【アナハイム阿部太郎】真夏のストーブリーグに突入!? エンゼルスは28日(日本時間29日)、レッドソックス戦に敗れて4連敗。試合直前には勝ち頭のジョエル・ピネイロ投手(31)が左わき腹痛で先発回避し、故障者リスト(DL)入り。さらにカブスのデレク・リー内野手(34)がエ軍行きのトレードを拒否したことが判明した。プレーオフ進出が一層厳しくなったことで球団側は来季をにらんだ布陣にシフトする可能性が高く、ついに地元紙の放出リストには「MATSUI」の名も浮上した。

 失望感が頂点に達した。同点で迎えた8回無死満塁。スクタロの目の覚めるような満塁弾で、勝負は決した。本拠地で屈辱的なスイープ、しかも泥沼の4連敗…。エンゼルスファンのほとんどが最後まで見届けることなく帰路についた。

 敗戦だけの失望ではない。チームに衝撃が走ったのは試合直前。今季ここまで勝ち頭のピネイロが、試合開始10分前にブルペンでカーブを投げた際に左わき腹を痛め先発回避。「ただのけいれんであってくれ、冗談だろと思ったが、診断はかなりひどい状態だった」。全治6〜8週間と発表され、即座にDL入り。最悪のチーム状況の中、先発の大黒柱を失った。

 さらにこの日は、カブスのリーがエ軍へのトレード移籍を拒否していたことが判明。リギンズGMは詳細について明言を避けたが、リーはメジャーに10年在籍し、5年間同一チームでプレーした選手に与えられる通称「10アンド5ライツ」と呼ばれるトレード拒否権を行使したという。そのため、エンゼルスはカラスポ獲得へシフトしたもよう。リー獲得が成功していれば貧打解消の切り札になっただけにチームにとって大きな誤算だった。

 この日も打線が爆発せず、スクランブル登板の投手陣も炎上。2打数無安打1四球だった松井は「相手が上回っている」と唇をかんだ。7月末で早くも首位レンジャーズとは8・5差。30日からの直接対決3連戦で負け越せば、自力Vも消滅する状況だ。ここまでの崩壊ぶりを誰が予想しただろうか…。この試合途中にハチがスタンドの2階席に襲来。一時はファンや選手が騒然としたが、エ軍にとってまさに“泣きっ面にハチ”というほかない。

◆監督とGMが緊急会談 もはやストーブリーグ!?

 オフを待たずして、松井の去就問題が騒がしくなりそうだ。ソーシア監督と、リギンズGMがレッドソックス戦敗戦後、40分以上にわたり緊急会談。今後のチームの方針やロースターの入れ替えなどを協議した。

 先発ローテの一人を失い、地区首位とは8・5ゲーム差。ソーシア監督はトレード移籍期限をあと3日に控え「余剰戦力があれば、それは考慮するだろう」。来季以降を見越し、ベテランを放出して有望株の若手選手の獲得を示唆した。

 そんな状況の中、28日のLAタイムス電子版では早速、放出される可能性があるベテラン選手を掲載。アブレイユ、フエンテス、イズタリスとともに松井の名前も挙がった。29日からはレンジャーズとの直接対決。松井は「勝てば必ず縮まるわけですから、とにかく1戦1戦頑張るだけ」と前を向いた。ただV争いから完全に脱落すれば、トレード移籍期限を過ぎたとしても、非常に厳しい立場に置かれるのは必至だ。

 

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