舞台「三婆」製作発表で元気な姿を見せていた園佳也子さん(左)。中央は水谷八重子、波乃久里子=06年10月31日
女優の園佳也子(その・かやこ)=本名・清水郁子=さんが、東京都世田谷区池尻の自宅で死亡していたことが29日、分かった。病死とみられる。80歳だった。舞台やドラマなどで見せる姿と同様、素顔も愛嬌(きょう)ある元気いっぱいの人柄で多くの人に親しまれた。
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警視庁世田谷署によると、園さんは1人暮らし。27日午後に訪れた姪(めい)が、風呂場で倒れているのを見つけて119番し、死亡が確認された。心不全だった。26日午後には知人と会話をしていたという。
姪は1人暮らしの園さんの様子を定期的に見に訪れていた。
園さんは東京都出身で、大阪・天王寺で育った。NHK大阪放送劇団の聴講生となり、テレビに初出演。神戸女学院大文学部を卒業後、66年に東京に活動の拠点を移し、芸術座の舞台「細雪」のお手伝いさん役で注目を集める。
その後、ドラマ「細うで繁盛記」「ありがとう」「おんなは度胸」などのホームドラマで、関西弁の愛嬌のある脇役として元気で庶民的な女性を演じ、親しまれた。玉ねぎヘアがトレードマークだった。
CMでは金鳥サッサのコミカルな演技でも人気を集めた。
晩年は舞台を中心に活動し、女優・水谷八重子、波乃久里子と共演した舞台「三婆(さんばば)」は好評を博した。人気作家・有吉佐和子氏原作の名作舞台。2006年10月31日には、12月の「三婆」舞台の製作発表で「1週間前に、肋骨(ろっこつ)5本が折れていたことに気付いたんですわ」と豪快に笑い飛ばしながら告白。最終通しげいこを行った11月30日には、肋骨骨折に続き、ぎっくり腰で腰痛に悩まされていることを明かしていた。
演劇関係者によると、園さんはここ3、4年ほど活動をしていなかった。