2009-11-20
仕事の効率を上げるためには働く時間を短くする
・一人になり検証する時間を必ずとる。整理せず忙しさに埋没すると効率が落ちる。
・時間管理は無駄な予定を入れないことにつきる。余計なこと自体を無くす。
・別の人間に任せても問題ないものなら、どんどん責任と権限を委譲してやらせる。
・仕事が人生のすべてのような考え方は健全ではない。
・要点は簡潔明瞭にを徹底させ、齟齬を少なくする。
・空いている時間を有効に活用するという雰囲気をつくる。
日本マクドナルド社長の原田氏のインタビューのレビューです。氏は長時間労働によってコスト競争力を上げるという発想を否定されています。労働時間だけで競争するというのなら24時間をフルに使うことが最大の競争力を産むことになります。
労働基準法を等閑にして休み無く働かせ、退職をちらつかせてサービス残業をさせるような企業が競争力を持ってしまった場合、企業のシェアは拡大しそのシェアを支えるためにさらなる労働が圧し掛かってくる。そうなれば、労働者は壊れるまで働くことを強要されてしまいます。
しっかりとした報酬をしはらわれて報われるなら良いのですが、労働力のダンピングを行ないながらの競争力維持する会社が拡大すれば、奴隷のような勤務環境を強いられる人の数も増えてしまいます。右肩上がりの世の中では労働者は休みを減らし残業することで給料を上げてこれました。モーレツに労働時間を増やすことで競争力を上げてこれたのです。
そういった意識が『競争力=労働時間』という方程式を作り上げてしまいました。
単位時間当たりの効率が上がっているかどうかの精査は成されていたかは不明です。雇用主がモーレツな労働時間に支えられた競争力に甘えてしまったのは雇用主の怠慢と言わざるをえません。これからは想像性を駆使して生産性を向上させていかなければ、労働力コストの安い新興国には太刀打ちできなくなります。
そういった生産性を向上させるためにはサービス残業ではなく、思いこみによる無駄を排除し、スピードを上げ、密度を濃くすること。そして延々と残業をするのではなく仕事の質を上げて、しっかり休養を摂るという選択肢もあるはずです。
競争力は労働時間ではない、質とスピード。
質とスピードを要求するには仕事を時短にするしかありません。そして仕事を終えたあとに何をするかは個人の自由にすることです。そういう意識を持てば、想像力は向上し、質とスピードも加速していくことでしょう。仕事を追えた後に仕事を押し付けるのは仕事を早く進めようとするインセンティブが失われますし、なにより疲労でそれどころではないはずです。
仕事も趣味も家族と過ごす時間も、どれが欠けても充実した人生は送れません。大切なのはいずれも濃密な時間を過ごすことです。
参考文献
- 作者: 原田永幸
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2005/04/23
- メディア: 単行本
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