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111歳事件 「部屋開けるな」強く指示

 東京都足立区の民家で「111歳」とされていた住人の加藤宗現さんとみられる遺体が見つかった事件で、同居している孫の女性(53)が警視庁千住署に「祖父の言うことは絶対で、『部屋を開けるな』と強く言われた」と話していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。

 遺体が見つかった部屋の扉の内側には大量の箱や紙類が積み上げられ、外部から簡単に開けられない状態になっていたという。

 部屋には1978年11月の新聞や区の広報があり、それ以降の新聞などがなかったことなどから、死亡したのはそのころだったとみられる。千住署は、家族が加藤さんの意向に逆らえず、30年以上にわたり部屋をそのままの状態にしていたとみて調べている。

 一方、加藤さんに対しては、69年ごろから妻が死亡した2004年8月まで老齢福祉年金が支払われた可能性が高いことも判明。年額数十万円に上るとみられる。04年9月以降は妻の遺族年金計約950万円が振り込まれていたことが確認されている。

 捜査関係者によると、加藤さんは約30年前、家族に「即身成仏したい」と話して以来、自室に閉じこもり、食事や水も取らなかった。家族には「絶対に開けるな」と強く言っていた。

 家族は指示に従い、長年部屋にかかわらないようにしていたが、今年3月25日に、長女(81)と孫の女性、孫の男性(49)の3人が室内のベッドの上に頭蓋(ずがい)骨があるのを確認した。女性は同署に「この日は扉が開いていた。祖父は普通の人ではなく、パワーを持っていたため扉が開いた」と話しているという。

 同署によると、加藤さんは以前公務員だったほか、自営業をしていた時期もあるという。(共同)

 [2010年7月30日12時27分]


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