武蔵川理事長復権に文科省が待った!
大相撲の監督官庁である文部科学省が、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)の復権に“待った”をかけた。日本相撲協会の村山弘義理事長代行(73=元東京高検検事長)は29日、名古屋場所(25日千秋楽)の報告のため都内の同省を訪問。川端達夫文部科学大臣から「当分は引き続きリーダーシップを発揮してほしい」と要求された。高血圧で入院中の武蔵川理事長は8月10日ごろに復職予定だが、身内に甘い体質に戻ることを危惧(きぐ)する文科相は、改革に関しては村山代行主導を強調した。
文科省が改革の旗手に指名したのは、武蔵川理事長ではなく村山代行だった。約20分間の話し合いで、川端大臣は相撲協会に具体的な改革案が見えない点を指摘。その上で「当分は引き続きリーダーシップを発揮してほしい」と村山代行に要請した。これに「8月は週1回ペースでガバナンス(組織統治)の整備に関する独立委員会を開き、必ず適切な改革をしたい」と村山代行も承諾した。
武蔵川理事長は弟子の野球賭博関与による謹慎に加え、高血圧などで療養中だが、8月10日ごろに約1カ月ぶりに復職の予定とされる。文科相は身内に甘い武蔵川理事長体制に戻ることで、改革にブレーキがかかることに危機感を持っている。同席したスポーツ・青少年局競技スポーツ課の芦立訓課長は「野球賭博に関与した力士の名前も公表せず、土俵に上げると言っていた当初とは違う」と、村山代行の改革の手腕を高く評価している川端大臣の考えを代弁した。その上で「(代行の)指名権は理事長にあるが、今の状況をふまえて、よく考えてほしい」と続けた。
9月12日には秋場所が初日を迎える。川端大臣は「スピード感を持ってどんどん行動してほしい」と、時間的な余裕がないことを強調した。文科省には理事長人事にまで言及できる権限はないが、あくまで改革に関しては村山代行主導で動いてほしい考えだ。武蔵川理事長が復職しても、従来のように即全権掌握は困難な状況となった。
名古屋場所では横綱白鵬が、史上初の3場所連続全勝優勝の偉業を達成しながら、協会が辞退したため賜杯を受け取れず土俵で涙を流した。芦立課長は「白鵬の思いに応えるためにも改革が求められている」と力説した。文科省の“待った”に、協会がどう応じるか注目される。【高田文太】
[2010年7月30日8時57分 紙面から]
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