2009-06-06
サザエさん一家から学ぶ少子化対策
発展途上国とは異なり、先進国は軒並み少子化が進んでいます。なぜか考えれば自ずと答えは見えてくると思います。理由は子供にかかるコストが大きいからです。お金も時間も子育てに大量に消費されます。途上国は基本的にほったらかしです。教育も必要無いと思っている人がほとんどですし、すぐ子供を労働力として使うから産んだほうが得です。先進国では、子供が仕事をするまでにかかる時間もコストも膨大です。
生産性では先進国が勝っていることは確かですが、この子供時代にかかる負担は社会に出て行くまでの間、すべて若い世代に頼りきっているのが実情ではないでしょうか。
昔と違い今の子育てコストは何倍にも膨れ上がっています。この現在自己負担が多い子育て世代の社会保障を厚くしたとしても誰も異論は無いと思います。ほとんどが消費され経済効果も期待できるので、今の子供たちは将来の年金負担が多いので世代間に不公平感を補うためにもある程度必要だと思います。
子供達がいずれ社会全体を支えていくことになるのですから、子育て世代の負担を社会全体で補っていくことが結局のところ少子化対策としてはベストな回答だと思います。児童手当の拡充や保育所の建設もそうですが、都市部の核家族化の影響が大きいと思います。家族を含む地域コミュニティの縮小が若者世代に負荷をかけている大きな要因だからです。
親子3世代が一緒に暮らす磯野家のような家ならばタラちゃんにかかる負荷は分散されサザエさんはストレスを感じていないとおもいます。これが小さなアパートでマスオさんとタラちゃん3人暮らしになると途端に負荷が大きくなると思います。マスオさんの帰りが遅いようなら多分、サザエさんは怒り心頭でしょう。ようは、それを支える社会構造を作らないといけないということです。
児童手当も女性の社会復帰を早期に進めることができればそこまで必要はないという意見もあります。保育園に入れてまで働く意義があるのかも検討しなければならないと思います。選択肢が少ないことが問題を拗れさせている気がしてなりません。いままでの社会が都市に仕事を求めて、移住を推し進める社会構造だったので、ある意味、核家族を強要する面があったと思います。だとするなら、これを保障するのは都市であり国であると思います。
ここの所の不況で税金もアテにならないことですし、核家族のための行政サービスを増やすことは困難だと思います。国の借金はいずれ子供に回っていくことですし、子供もやめてくれというはずです。
子供は次世代の日本を担う大切な国の宝です。子供をおろそかにしていては国は傾きます。年老いても自分で収入を得られる人を除いて、ほとんどの人が子供達に養ってもらわなければなりません。出産・子育てを選択した女性、そして生まれてきた子供たちが後悔しないような社会をつくらなければならないと思います。
参考文献
少子化克服への最終処方箋―政府・企業・地域・個人の連携による解決策
- 作者: 島田晴雄,渥美由喜
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/02/02
- メディア: 単行本
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参考記事
ごちゃごちゃ言ってないで生んで欲しけりゃ金よこせ。 - 想像力はベッドルームと路上から
少子化対策をベビーニューディールと位置付けてはならない - 煩悩是道場
最近の若いパパは、子育ての何に悩んでいるのか聞いてみた。 - kobeniの日記 <ahref="http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/kobeni_08/20100124/1264339840">