高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
234:猪木が戦ったヌルヌルデスマッチ
<2009年9月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>
「GENOME10」(11月3日)で浮上していた小川直也と高山善廣による
「金網デスマッチ」案が、総帥・猪木の一喝でアッサリと消えた。
「戦いに余計なモノはいらない。ただでさえ嫌いなんだから」と金網案を一蹴。では猪木が、このような〝不純物〟が混った戦いが嫌いかというと、全くそうではない。
現役時代は上田馬之助との「釘板デスマッチ」、リングというフィールドさえ無視したマサ斎藤との巌流島対決(今、両雄の動きが疲労で鈍った後半部分のみを冷静に見てしまうと「風雲たけし城」や「ウルトラファイト」チックに見えなくもない…)、ショータ・チョチョシビリとの異種格闘技戦はノーロープの円形リングだったし、実に積極的に亜流路線に踏み込んでいる。
ただ猪木の凄いところは、安易に釘板に落ちたりはせずにキチンとした試合を成立させている点だ。亜流の中で決して亜流に染まらず、すべて猪木プロレスの範疇に取り込んでしまうセンスがあったのだろう。
そんな猪木の亜流路線の中にあって、あまり名勝負として人々の記憶には残らなかった異色のデスマッチがある。
全身にヌルヌルと秘密のオイルを塗りたくって戦ったタイガー・ジェット・シンとの「インディアン・デスマッチ」(昭和54年10月4日、蔵前国技館)だ。
そんな亜流試合でありながら、実はNWFヘビー級選手権だったりもする。
豆知識。
試合前、シンのセコンドであるガマ・シンがガラス製器に入れられた透明な油(成分は全く不明だが「古代からインドの決闘に使われた油」と説明)をリング内に持ち込み、入場後の猪木とシンが、リング上にて、それぞれ全身に塗布した上でゴングが鳴らされた。
大論争を巻き起こした「桜庭vs秋山」のヌルヌル事件(2006年12月)を見るまでもなく、油を塗布すると相手を捕獲するのが困難になる。特に関節技などで相手の手足をフックしたり、動きをブロックしたりするのは、まず不可能となる。
だがシンは足4の字固めで猪木を捕獲するわ、猪木も人間風車でシンを投げ捨てるなど、普段とあまり変わらぬ戦いぶりを展開。最後はメリケンサックを手にしたシンが猪木をメッタ打ち、さらにミスター高橋レフェリーを殴って失神させ、結果は無効試合となった。
レスリングの起源を中近東とするならば、トルコ伝統の「ヤールギュレシ」(全身油まみれで戦うトルコ相撲)もあることだし、実は油まみれこそレスリングの保守本流という考え方もできる。
金網決着が却下された小川と高山は、いっそ猪木が30年前に名勝負製造に失敗した油地獄「インディアン・デスマッチ」に挑戦するのもいいかも。
「GENOME10」(11月3日)で浮上していた小川直也と高山善廣による
「金網デスマッチ」案が、総帥・猪木の一喝でアッサリと消えた。
「戦いに余計なモノはいらない。ただでさえ嫌いなんだから」と金網案を一蹴。では猪木が、このような〝不純物〟が混った戦いが嫌いかというと、全くそうではない。
現役時代は上田馬之助との「釘板デスマッチ」、リングというフィールドさえ無視したマサ斎藤との巌流島対決(今、両雄の動きが疲労で鈍った後半部分のみを冷静に見てしまうと「風雲たけし城」や「ウルトラファイト」チックに見えなくもない…)、ショータ・チョチョシビリとの異種格闘技戦はノーロープの円形リングだったし、実に積極的に亜流路線に踏み込んでいる。
ただ猪木の凄いところは、安易に釘板に落ちたりはせずにキチンとした試合を成立させている点だ。亜流の中で決して亜流に染まらず、すべて猪木プロレスの範疇に取り込んでしまうセンスがあったのだろう。
そんな猪木の亜流路線の中にあって、あまり名勝負として人々の記憶には残らなかった異色のデスマッチがある。
全身にヌルヌルと秘密のオイルを塗りたくって戦ったタイガー・ジェット・シンとの「インディアン・デスマッチ」(昭和54年10月4日、蔵前国技館)だ。
そんな亜流試合でありながら、実はNWFヘビー級選手権だったりもする。
豆知識。
試合前、シンのセコンドであるガマ・シンがガラス製器に入れられた透明な油(成分は全く不明だが「古代からインドの決闘に使われた油」と説明)をリング内に持ち込み、入場後の猪木とシンが、リング上にて、それぞれ全身に塗布した上でゴングが鳴らされた。
大論争を巻き起こした「桜庭vs秋山」のヌルヌル事件(2006年12月)を見るまでもなく、油を塗布すると相手を捕獲するのが困難になる。特に関節技などで相手の手足をフックしたり、動きをブロックしたりするのは、まず不可能となる。
だがシンは足4の字固めで猪木を捕獲するわ、猪木も人間風車でシンを投げ捨てるなど、普段とあまり変わらぬ戦いぶりを展開。最後はメリケンサックを手にしたシンが猪木をメッタ打ち、さらにミスター高橋レフェリーを殴って失神させ、結果は無効試合となった。
レスリングの起源を中近東とするならば、トルコ伝統の「ヤールギュレシ」(全身油まみれで戦うトルコ相撲)もあることだし、実は油まみれこそレスリングの保守本流という考え方もできる。
金網決着が却下された小川と高山は、いっそ猪木が30年前に名勝負製造に失敗した油地獄「インディアン・デスマッチ」に挑戦するのもいいかも。
本日の見出し タトゥー消しのりピー芸能界復帰
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