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大久保前コーチ解雇 雄星に暴行あった

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左から前田球団本部長、小林球団社長、飯田専務取締役(撮影・浅見桂子)
左から前田球団本部長、小林球団社長、飯田専務取締役(撮影・浅見桂子)

 西武は29日、不適切な指導の疑いがあったとして22日にコーチの職を解いた大久保博元・前2軍打撃コーチ(43)の解雇を発表した。関係者に対して行われた事情聴取の結果、ルーキー雄星投手(19)への暴行行為があったと判断して処分を下した。空席となった2軍打撃コーチには田辺徳雄・編成部プロ担当(44)が就任することも発表された。

 西武に激震が走った。試合開始約1時間前、西武ドームに隣接する球団事務所で、小林信次球団社長(62)が記者会見に臨んだ。自宅謹慎させていた大久保前コーチについて「本人との契約を解除することにいたりました」と解雇を発表した。23日から行っていたヒアリング調査の結果として「選手に対する暴行行為があった。球団として容認できない」と話し、契約解除の理由とした。体調不良や成績不振以外でのコーチの退任も異例だが、シーズン中の解雇は極めて異例だ。

 発端は6月下旬、大久保前コーチが参加する自主練習で2軍選手が高額の罰金を徴収されていること、チームの統制を害する言動があったことが、選手会から球団に報告された。罰金徴収をやめるよう球団が本人に伝えたところ「誰が選手会に報告したか、決めつけた上で暴行をした」という。暴行を受けた選手について「現在確認できるのは1名。指導を逸脱した完全な暴行行為。内容や個人名については公表をご容赦いただきたい」と明言を避けたが、雄星の胸ぐらをつかむなどしたとされている。

 デーブの愛称で知られる大久保前コーチは08年に1軍打撃コーチに就任。同年11月に、知人女性にけがを負わせた疑いが発覚し、編成部に配置転換。今季から2軍打撃コーチとして現場復帰した。小林球団社長は「今回の件だけを考えての処分」としたが、親会社の西武ホールディングスが1部再上場を目指してグループ全体のコンプライアンス(法令順守)体制強化を徹底していることも背景にある。プロ野球チームは世間の注目度が高く、大久保前コーチの不祥事が2度目だった点を重く見て、厳罰を下したとみられる。

 後任ポストに就任する田辺現編成部プロ担当は、昨季まで2軍打撃コーチを務めており、混乱を最小限に抑えることが期待される。球団は今後も調査を続けていくとし、球団幹部の管理責任や再発防止策についても検討を進め、決定次第発表する。

 [2010年7月30日8時38分 紙面から]


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