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年金詐欺か…都内男性最高齢「111歳」死んでいた

ミイラ化した遺体が見つかったことが分かった東京・足立区の加藤宗現さん宅
ミイラ化した遺体が見つかったことが分かった東京・足立区の加藤宗現さん宅
Photo By 共同

 東京都足立区千住の無職男性宅で、ミイラ化した遺体が見つかったことが29日、分かった。生きていれば111歳で都内の男性最高齢とされていた無職男性とみられ、家族の話では約30年前に「即身成仏したい」と話して以来、自室に閉じこもったままだったという。一方、男性の妻の遺族年金計950万円が男性の口座に振り込まれ、7月には270万円が引き出されており、警視庁は詐欺容疑に当たる可能性もあるとみて調べている。

 ミイラ化した遺体が見つかったのは足立区千住5丁目の無職加藤宗現さん宅。区などによると、加藤さんは1899年(明32)7月22日生まれで、長女(81)と長女の夫(83)、孫の女性(53)と男性(49)の5人暮らし。担当の民生委員が2月に「加藤さんになかなか会えない」と区に相談。区職員は断続的に面会を求めたが、家族は「岐阜県にいる」「生きている」と拒否し続けたため、6月2日に警視庁千住署に相談した。

 同署は、今月26日に区職員らとともに加藤さん宅を訪問。長女と孫の女性から事情を聴いたが「いつも2階で寝ていて“誰とも会いたくない”と言っている」「何十年も病気にかかっていない」と説明。28日に孫の女性が同署を訪れ「3月25日に祖父の部屋を見たら、頭蓋(がい)骨が見えた。祖父は30年前に即身成仏したいと言い、1階の部屋に閉じこもって食事も水も取らなかった。とても怖い人で部屋を開けられなかった」と話したという。

 このため、同署は同日午後、保護責任者遺棄致死の疑いもあるとみて加藤さん宅を調べ、1階の和室のベッドで、仰向けで毛布がかかっている状態の遺体を発見。頭蓋骨がむき出しで、長袖肌着、ももひき、下着を身に着けていた。司法解剖では、死因や死亡推定時期は不明。部屋にあった将棋盤の上には78年11月5日付の新聞と同年11月の区報が置かれていた。同署は、そのころに死亡した可能性が高いとみている。

 加藤さんの妻は04年8月に死亡したが、加藤さん名義の銀行口座には遺族年金として同年10月から今年6月まで計950万円が入金されていた。口座からは7月に入り6回にわたって約270万円が引き出されていた。

 また、区によると、90年以降、奨励金や表彰の名目で現金や商品券を支給。計約13万6000円分に上る可能性があるという。

 高さ約2メートルのコンクリート塀で囲まれた加藤さん宅周辺では、加藤さんが姿を見せないことから「千住の七不思議」と言われていた。加藤さんが使っていたとみられる1階の部屋は20年以上、窓が閉まった状態だったという。

 <難しい状況把握>同区の担当者が29日、記者会見し「家族から“生きている”と言われると、強制的に踏み込む権限がない。できる限り調査したつもりだが、対応が後手に回った」と釈明。再発防止策については「家族に断られた場合、状況を把握するのは難しい。今後どういった方法が取れるのか検討したい」と述べるにとどまった。

 <05年には「107歳」が>05年3月には、107歳で兵庫県の最高齢男性とされていた金岡久次郎さんのミイラ化した遺体を伊丹市の自宅で伊丹署員が発見した。死亡時期は92年6月ごろと特定。軽犯罪法違反(届け出義務違反)容疑で同居の長男、次女、四女が書類送検された。遺体は布団の中で、浴衣を着てうつぶせの状態で、市長らが自宅を訪問した際などには家族が「寝たきりの状態」などと面会を拒否していた。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年07月30日 ]

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