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【国際】

機密文書大量流出で米軍 元情報分析官ら捜査

2010年7月30日 朝刊

 【ワシントン=嶋田昭浩】アフガニスタンでの軍事作戦の内情を示す機密文書が大量に民間ウェブサイト「ウィキリークス」に流出した問題で、米陸軍の捜査機関は、機密映像の漏洩(ろうえい)に関与した疑いで五月に逮捕した陸軍情報分析官らを対象として新たに捜査を開始した。米政権は「(流出文書に)未公表の事柄は含まれていない」(オバマ大統領)と沈静化に躍起だが、議会などからアフガン政策に対する疑問の声も強まり、あらためて説明責任が問われる事態となっている。

 問題の情報分析官はイラクで勤務していたブラッドリー・マニング上等兵。今回の情報流出が判明する前に、イラクで米軍ヘリコプターが民間人を攻撃する模様が撮影された映像をウィキリークスに流したなどとして、訴追され、クウェートで拘置中と伝えられる。

 国防総省当局者は二十七日、二十五日に九万点以上の文書流出が明らかになった今回の問題についても、マニング上等兵の事件の延長線上で捜査が行われている事実を確認。その上で「特定の一個人に焦点を絞っているのではない。今回の捜査は、はるかに広範囲に及ぶ」とも述べた。

 陸軍の機関が初期捜査に当たっている点については「捜査能力の問題」とし、今回の情報の流出元が陸軍関係者とは限らない、との見方を示した。

 流出文書には、米軍が支援するパキスタンの軍情報機関、三軍統合情報部(ISI)が実はアフガニスタン反政府勢力タリバンと密接な関係を保持している、との観測を裏づける情報なども含まれており、米議会上院のケリー外交委員長(民主)は「米国の対パキスタン・アフガン政策に重大な疑問を提起した」と指摘している。

 

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