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ゆうパック遅配、きっかけは「仕分けラベル」の準備不足

2010年7月28日7時8分

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 郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」の遅配問題で、お中元などの荷物の多くに仕分けのためのラベルが張られておらず、大規模な遅れにつながったことが27日、総務省の聞き取り調査で明らかになった。日本通運の「ペリカン便」と統合するための準備が不足していた事実として重くみており、8月上旬にも業務改善命令を出す方針。

 遅配は「ゆうパック」が「ペリカン便」と統合した7月1日の直後から発生。お中元シーズンの出ばなに統合したことで取り扱い荷物量がほぼ倍増し、6日までに34万個超の荷物の配達が遅れた。総務省は日本郵便に対し、30日までに書面で遅配の経緯を報告するよう求める一方、聞き取り調査も実施してきた。

 日本郵便の説明では、「ゆうパック」と「ペリカン便」は荷物を仕分けるためのコード番号が異なるため、統合後は新たに6ケタの数字が書かれた共通ラベルを荷物に張ることにした。百貨店などの大口顧客には6月中旬、伝票を打ち出すシステムの新しいプログラムを提供し、共通ラベルを印刷して張ってもらうように要請した。

 だが、大口顧客の中にはシステムの更新が間に合わないところがあり、ラベルのない大量の荷物が全国70カ所の集配拠点に押し寄せた。「区分機」と呼ばれる機械で自動仕分けができなくなり、急きょ手作業で仕分けることになったが、手順や人員の配置が明確に決まっておらず、現場が混乱。あふれた荷物が仕分け場所をふさぎ、作業が遅れた。「ゆうパック」「ペリカン便」の集配拠点の機械の違いも混乱に輪をかけた。

 総務省は、ラベルのない荷物が大量発生する事態を日本郵便が十分に想定せず、従業員の研修も不十分だったことが遅配のきっかけになった、とみている。一般利用者向けの遅配事実の公表が発生の3日後と遅れたことも問題視しており、郵便事業会社法に基づく業務改善命令を8月上旬にも出す方針。お歳暮シーズンに向け、再発防止策を講じるよう促す。

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