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【主張】1年ぶりの死刑 法執行は粛々とすべきだ (1/2ページ)
このニュースのトピックス:死刑制度
死刑囚2人の死刑が執行された。昨年7月以来1年ぶりである。民主党政権で法相に就任しながら執行命令を下さなかった千葉景子氏が命令書に署名した。
刑事訴訟法は死刑確定から6カ月以内に刑を執行することを定めており、当然のことが当然になされたにすぎない。法の執行は、粛々と行われるべきものである。
千葉法相は弁護士出身の死刑廃止論者としても知られており、死刑執行に立ち会い、「きちんと見届けることも責任と考えた」と話した。法相の立ち会いは初めてのことだという。
そのうえで、「自らの目で確認させていただき、改めて死刑について深く考えさせられた。根本からの議論が必要と強く感じた」と語り、死刑制度の存廃を含めて検討する勉強会を省内に立ち上げる意向を示した。
これでは議論を始めるための執行だったように聞こえる。
刑事訴訟法は「死刑の執行は法務大臣の命令による」と定めているが、執行への立ち会いまでは求めていない。千葉法相の行動は後任法相へのプレッシャーになるばかりか、裁判員の判断にも影響を与える。
2年目を迎えた裁判員裁判では、いずれ裁判員が死刑の判断を迫られる。ただでさえ、一般から選ばれた裁判員には死刑を選択することへの抵抗感がある。法相は執行後の記者会見で「裁判員裁判によって刑事司法に対する関心が高まり、自ら判断する責任を国民も負う」とも語った。自らの行動と合わせれば、「執行に立ち会う責任感で死刑判断を」と国民に求めたようなものだ。