J1で3位と好位置に付けている名古屋グランパスは29日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習した。DF田中マルクス闘莉王(29)は、31日の横浜M戦(日産ス)で、日本代表でセンターバックコンビを組んだDF中沢佑二(32)との対戦に心を躍らせた。
前夜からの雨が猛暑を和らげ、涼しい風がグラウンドを吹き抜けた。28日の湘南戦(瑞穂陸)の先発メンバーは、ランニングなど軽い調整で疲労回復を図った。闘莉王は、GK楢崎、FWケネディらと談笑しながら終始、笑顔で練習を終えた。
湘南戦は、力の差は大きかったにもかかわらず、2−1と小差の勝利となった。「消耗する試合だった。2点リードして休むのではなく、動いて、自分たちの良さを出さないとダメだった」。課題となっている試合の進め方の悪さに、納得はしていない。
それでも、暑さの厳しい夏場は我慢の時。「まだ、無失点にこだわる時じゃない。守備は少しずつ良くして、最後に、堅い名古屋を見せる」。終盤戦の勝負どころまで、勝ち点を積み重ねて、乗り切るしかない。
31日に迫った横浜M戦には特別な思いがある。「代表の中でも、選手としても、人間的にも尊敬できる先輩」として名前を挙げる、チームメートの楢崎、横浜MのDF中沢、MF中村と集結できる舞台だからだ。中でも、センターバックコンビを組んだ中沢との対戦を、楽しみにしている。
「佑二さん(中沢)とはお互いにリスペクトし合って、大人の勝負ができる。佑二さんはおれを汚い手でマークしないし、おれもちゃんとした競り合いで応戦している」
一緒に戦ったW杯南アフリカ大会からまだ1カ月だが、「佑二さん、真っ黒になっただろうな」と、自然と表情がほころぶ。「みんなに喜んでもらえる勝負を見せたい」。真剣勝負に勝って、中沢の壁を越えたい。もちろん、楢崎とともにグランパスゴールは守り抜く。 (伊東朋子)
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